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【埼玉】

まるで博物館 電車の眼科 さいたま・星合さん、レアな車両次々購入

誰でも自由に出入りできるキハ223の車内に立つ星合さん=さいたま市緑区のほしあい眼科で

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 全国各地で活躍した本物の鉄道車両を展示している病院がある。さいたま市緑区のほしあい眼科だ。車両に乗ることもでき、患者や近所の子どもたちからも大人気。電車好きが高じて、車両を集めている院長の星合繁さん(46)は「待ち時間を少しでも楽しんでほしい」と話している。 (西川正志)

 清潔感あふれるほしあい眼科の受付ロビーに隣接するように設置されているのは、北海道の羽幌炭礦鉄道や茨城県のひたちなか海浜鉄道湊線で活躍した「キハ223」。

 二〇〇九年に廃車されるまで約四十五年間、多くの人に愛された車両で、木製の床やひび割れたつり輪などノスタルジックな雰囲気を今も残す。車両は開放されており、子どもからお年寄りまで多くの人が車内で遊んだり、くつろいだりしている。

 子どものころから電車好きだった星合さんが車両集めを始めたのは病院開設がきっかけだった。県内の医療法人から新病院の院長にならないかと誘いを受けた星合さんは「『本物の鉄道車両に囲まれて生活したい』という夢を実現するチャンス」と考え、車両の展示を条件に承諾した。

 全国の私鉄やJRの広報に直接電話をかけて車両を譲ってもらえないか、かけあったが門前払いの連続。「車両ありきで病院も設計した。車両がないと着工もできないから焦りました」と星合さん。そんな中で、ようやく交渉がまとまったのがキハ223だった。

 星合さんの夢の病院が開業したのは二〇一〇年五月。車両費や輸送費などで約九百万円かかったキハ223のためにレールを引き、車両に乗り込むホームも作った。

 幹線道路沿いの外壁に千葉県の流鉄の「クハ21」「クモハ2003」を、駐車場にはJR西日本の寝台列車ブルートレインを牽引(けんいん)した「EF66−45」の先頭部分を配置。誰もが驚く病院が完成した。今では子どもたちから「電車のお医者さん」と親しまれ、近所の幼稚園児らが見学に来ることもあるという。

 夢を実現させた星合さんは「子どもたちにとって、病院の待ち時間は不安でネガティブになりやすい。電車を見て少しでもポジティブになってほしいんです」。今年二月には箱根登山鉄道を引退した車両を購入した。今年中の展示を目指しており、まだまだ充実させていくつもりだ。

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