東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

川口・鋳物工場に魅せられ 地元の81歳・富丘さん油絵個展

鋳物工場で働く人たちを描き続ける富丘さん=東松山市で

写真

 川口市の鋳物工場に魅せられて油絵を描き続ける、川口市の元小学教諭富丘太美子さん(81)の個展「鋳物工場」が、東松山市の丸木美術館アートスペースで開かれている。十一月十八日まで。

 富丘さんは一九九七年に定年退職後、夫三郎さん(故人)の影響で油絵を始め、三郎さんと東京都北区にある洋画家団体「示現会」の絵画研究所に毎日通った。やはり小学校教諭だった三郎さんは幼いころから絵を描き続けており、鋳物工場の屋根から突き出たキューポラ(溶解炉)を好んで描き続けていた。

 翌年、三郎さんが急死した後も富丘さんは絵を続けた。二〇〇三年、家に大量に残された三郎さんの絵を見ているうちに、描かれた鋳物工場を探してみようと思い立った。

 訪ねた鋳物工場では「湯」と呼ばれる溶かした鉄を鋳型に流し込む作業が行われていた。暗い工場内を照らす、湯の光と色にすっかり魅せられた。「鋳物師たちの誇りや真摯(しんし)な態度にもひかれた」という。

 その後、工場の了解を得て取材を重ね、100号(縦約一・六メートル、横一・三メートル)の大作も含む作品を毎年、展覧会に出品している。個展では大作を中心に十一点を展示している。

 「キューポラのある工場は減り続け、最初に描いた工場も今は更地になってしまった。工場が残る限り、これからも描き続けたい」と話している。

 八日午後二時からは富丘さんの作家トークが行われる(参加費五百円)。問い合わせは同美術館=電0493(22)3266=へ。 (中里宏)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by