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【埼玉】

<ひと物語>太鼓ミュージック、世界へ プロ奏者・高橋ルークさん

太鼓を演奏する高橋さん

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 和太鼓を使って世界中の人々が楽しめるパフォーマンスを生み出したい−。十代ながらプロの太鼓奏者として活躍する上尾市の高橋ルークさん(19)は壮大な夢を追いかけている。太鼓の師匠である義父・博幸さん(53)=芸名・林田ひろゆき=がプロデュースするプロ集団「ZI−PANG(ジパング)」に所属し、公演で全国各地を回っている。

 博幸さんは海外の著名アーティストとの共演や、一九九八年のフランスでのサッカーワールドカップ閉会式で演奏するなどの実績を持つ太鼓の第一人者。その影響で幼いころから自宅にはおもちゃ代わりに打楽器が置いてあり、親しんできた。

 最初に始めた楽器は小さなパーカッションだった。小学生の時にはドラムも習得。大人に交ざって、人前で洋楽のバンド演奏を披露していた。

 中学生からは地元のアマチュア太鼓グループに所属。友達が部活に打ち込む中、太鼓を打ち込んだ。

 「太鼓を使って世界中の人が楽しめる音楽をつくる」という夢を描いたのは高校生のころだった。高校生のとき、国連事業の一環でフランスなどで公演したのがきっかけ。観客が演奏に合わせて体を揺らしていないことが気になった。

 「海外に太鼓は根付いていない。他の音楽みたいに奏者と観客が一体となって楽しめないだろうか」

 そもそも日本の伝統的な太鼓演奏には疑問を抱いていた。決められたリズムに合わせ、決められた振り方で太鼓をたたく。少しでも乱れると矯正される。「他の音楽みたいに自由に個性を出せたらいいのに…」

 体の芯まで響く圧倒的な音量と躍動的な動き。太鼓には他の打楽器にはない魅力がある。だが同時に、窮屈さも感じていた。

 「太鼓は日本を象徴する楽器の一つ。現代の音楽に落とし込んで世界中の人が気軽に楽しんでもらえるようにしたい」

 そんな高橋さんにとってジパングはうってつけの場だった。博幸さんを中心としたメンバー全員がソロ活動できる実力を持つ精鋭。即興性を取り入れ、自由な発想で演奏する「太鼓ジャズ」を掲げている。

 時にはトランペットやギターも加わる。既成の枠にとらわれないスタイルに「成長させてくれる」と手応えを感じている。

 「僕にとって太鼓は日本人であることを実感させてくれるもの。そんな太鼓を進化させていきたい」

 手探りで新たな道を進む若武者の挑戦は始まったばかりだ。 (牧野新)

<たかはし・るーく> ニュージーランド人と日本人のハーフ。「ルーク」は人気SF映画「スター・ウォーズ」の登場人物にちなんで命名された。2歳から打楽器に触れ、12歳から本格的に太鼓を始める。これまでに人気アーティストとの共演や、海外公演などの実績を持つ。上尾市本町在住。

 

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