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【埼玉】

明治・大正期の寄席が復活 川越スカラ座でプロジェクト

昔ながらの座席が124席並ぶスカラ座館内=川越市で

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 明治時代に寄席として開館した川越市元町の映画館「川越スカラ座」で、寄席時代の雰囲気を再現する「おいで館ちっと復活プロジェクト」が行われている。二十三日と十二月十八日、上映の合間に奇術や曲芸など寄席の色物を上演。着物姿や大正時代風の服を着た客は入場料百円とし、タイムスリップの感覚を味わってもらう趣向だ。 (中里宏)

 スカラ座の建物外観は一九八六年に改修されたが、入り口横のチケット売り場や内部のつくりは、昭和の映画全盛期の姿を残し、首都圏では貴重な存在。最近ではNHKドラマ「植木等とのぼせもん」のロケにも使われた。

 もともとは日露戦争が終わった年の一九〇五(明治三十八)年、寄席「一力亭」として始まり、〇七年から二一年までは「おいで館」と呼ばれていた。

 戦前の四〇年、映画館に生まれ変わった。二〇〇七年五月、当時の支配人(故人)が高齢になったため閉館。「川越最後の映画館の灯を守ろう」と、地元の若者たちを中心につくったNPO法人「プレイグラウンド」が市民から運営資金を募り、同八月に再開した。デジタル映写機購入や下水管の故障といった危機も、市民らの寄付で乗り越えてきた。

 おいで館復活プロジェクトは、実行委員会の今西芳夫代表らが「映画だけでなく、川越らしいものでスカラ座を活用しよう」と企画。着物姿での鑑賞を呼び掛けて九月に曲芸の太神楽(だいかぐら)、十月に紙切りを上演した。

昭和レトロな映画館で、かつての寄席の姿を復活させるプロジェクトを企画した(右から)飯島千鶴さん、舟橋さん、松本さん

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 スカラ座支配人の舟橋一浩さん(45)は「若い芸人が能力を身に付けていて、頑張る姿を見ると感動できる。インスタグラムに使える場所として、スカラ座を発見してくれるきっかけになれば」と話す。落語ではなく、色物にしたのは「外国人観光客に寄ってもらうことを考えると、言葉より芸で見せる方が分かりやすいから」と言う。

 松本醤油商店専務の松本勇一さん(42)は「川越は観光で盛り上がっているが、もっと日本文化を実感できる街になればいい」と話す。

 二十三日は午後三時半から、アサダ二世さんの奇術、十二月十八日は午後二時半から、鏡味仙成(せんなり)さんの太神楽が、それぞれ一時間、上演される。着物か大正風コスプレの人は入場料百円、一般五百円、小学生以下無料。問い合わせは川越スカラ座=電049(223)0733=へ。

 

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