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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW>浦和、ACL制覇 サポーター後押し

浦和−アルヒラル 10年ぶり2度目のACL優勝を果たし、イレブンに声援を送る浦和サポーター=埼玉スタジアムで

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 25日、埼玉スタジアムで行われたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第2戦で、サウジアラビアのアルヒラルに1−0で勝った浦和レッズ。1週間前に敵地リヤドで行われた第1戦を1−1と引き分けており、2試合合計2−1で見事に優勝を果たした。レッズのACL制覇は2007年に達成して以来10年ぶり2回目、日本のクラブで初めて2度目の王座に就いた。レッズはこの後、12月6日からアラブ首長国連邦(UAE)で開催される国際サッカー連盟(FIFA)クラブ・ワールドカップに出場する。

 今シーズンのレッズは、以前この欄でも記したように、Jリーグでの不成績から8月初旬にミハイロ・ペトロビッチ前監督を解任し、コーチから昇格させた堀孝史新監督の下で立て直しを図った。堀監督は前任者の攻撃偏重なスタイルにおいてややおろそかになっていたディフェンス面を見直し、個々の守備意識を高め、システムもそれまでの変則的な3バックから安定感のある4バックに変更するなど、修正してきた。

 それがまさにACL優勝の要因と言える。もともと攻撃力はJリーグでも屈指だっただけに、守備力が安定すれば結果が出ることは理にかなっている。ブラジル代表を並べる上海上港戦や、決勝戦でも相手の攻撃力を封じて結果につなげた。

 敗れたアルヒラルのラモン・ディアス監督(Jリーグ初代得点王)も「浦和の守備は素晴らしかった。中盤でのプレッシャーが厳しく、パスをつなごうとしてもすぐに取られ、カウンターにつなげられた」とたたえていた。

 レッズの選手たちは「攻守の切り替えを速く」「球際を厳しく」「チャレンジ・アンド・カバーの徹底」「最後まで諦めない」といった守備の原則を忠実に実行した。無失点で抑えた守護神・西川周作も「後ろから見ていて、みんなが体を張って素晴らしいプレーをした」と語ったように、チームとして守ることができるようになった。

 もう一つ、語り落とせないのがファン・サポーターの後押しだ。レッズはグループステージからノックアウトステージ、この日の決勝戦まで、ホームの埼玉スタジアムでの試合は7戦全勝。アウェーで0−2と敗れたラウンド16の済州戦ではホームで延長まで戦って3−0、同じく1−3で敗れた準々決勝の川崎戦ではホームで4−1と、ともに大逆転して勝ち進んだ。

 この無類のホームでの強さは、埼スタの圧倒的な雰囲気がもたらしたものと言っていい。決勝戦の試合前には、スタジアム全体に描き出した見事なコレオグラフィ(観客がボードを掲げて示すアート)で選手を鼓舞し、試合中途切れない声援で、選手の集中力と闘争心を途切れさせなかった。

 堀監督や選手たちが「(優勝できたのは)スタジアムの素晴らしい雰囲気があったから」と口をそろえたのは、決して形式的な儀礼からではなかった。「埼玉スタジアム」「ファン・サポーター」も優勝の一因、県民すべてが胸を張れるアジア制覇だった。

  (サッカージャーナリスト)

 

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