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【埼玉】

有機農業の担い手、育って 県農業大学校に専門コース

有機農業専門コースの農場でカブを収穫した学生=熊谷市で

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 県農業大学校(熊谷市)に、農薬や化学肥料を使わない有機農業を学ぶ専門コースがある。有機農業への関心の高まりを受け、二〇一五年に新設。全国に四十二ある公立農業大学校の中でも珍しい試みで、学校関係者は「安全でおいしい農産物の作り手が育ってほしい」と期待している。

 高校を卒業したばかりの若者から勤め先を定年退職した人まで、男女十四人が一年間、実習や座学で露地野菜の栽培管理方法のほか、土や堆肥作りなどを学んでいる。

 〇・八ヘクタールの農場では一年で計約七十品目の野菜を栽培。農薬を使わないため、ブロッコリーとレタスのように一緒に育てると虫が付きにくいとされる野菜を近くに植えるなどの工夫をしている。以前は会社員だった岩本将武さん(42)は「毎日全てが新しい発見。卒業後は地元の静岡市で農業をやりたい」と夢を語る。

 特別講師を務めるのは、有機農業の先駆者として知られる金子美登さん(69)。一九七〇年代から、小川町の農場で取り組んでおり「単純な価格競争では外国産の農産物に勝てない。日本の農業、農村を守るためにも安心という価値がある有機農業は大事だ」と訴える。

 実習で作った野菜は、学校や一部の小売店で販売。今年七月には、農場が基準を満たしているとして、農林水産省の有機JAS規格の認定を取得。作物に「有機」「オーガニック」と表示できるようになり、販売を希望する業者からの連絡が相次いでいるという。

 県の担当者は「有機農業はコストもかかるがニーズも高い。卒業生たちが有機農家に定着し、各地で広げていってほしい」と話している。

 

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