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【埼玉】

<ひと物語>所沢に幸運届け17年 ラッキーパンダの生みの親・双団平さん

女子学生に記念写真をせがまれるラッキーパンダ

写真

 西武新宿線航空公園駅(所沢市)へ向かう大通りを、大柄なパンダが二足歩行で歩いてくる。手ぶらだ。宣伝用の着ぐるみではないらしい。あっ、両手を振り始めた…。

 「ラッキーパンダだ!」。沿道の保育園から園児たちがモミジのような手を振り返す。年配の男性はスマホを取り出し、パンダに腕を絡めてツーショットをねだる女子学生もいた。

 「女性や子どもはもちろん、最近はおじさんにも歓迎される。素っ気なかった男性の変わりようにはびっくり」。生みの親の双団平さんが目を細めた。

 ラッキーが街中へ現れたのは二〇〇〇年二月。月三度ほどに限られ、その神出鬼没ぶりや、フレンドリーなたたずまいから、「会えばラッキーになれる」とうわさになり、いつしか「ラッキーパンダ」と呼ばれるようになった。

 当時の所沢は、手配容疑者の潜伏が判明したり、テレビ報道に端を発したダイオキシン問題に見舞われたりしていた時期だった。

 「パンダを嫌いな人はほぼいない。よし! 双の漫画からパンダが飛び出した設定にして、街を明るくしてやろう」

 歩き始めたころは不審者とみなされ、警察の職務質問を受けたことも。知名度が上がると対応も変わり、最近は警察官に「道のりに異常ありません」という意味を込めて敬礼すると、敬礼を返される。観光バスから一斉にカメラを向けられることも珍しくなくなった。

 「私は送り出しただけ。周囲が盛り上げてくれるおかげです」

 関連グッズも地元の人たちが作りだした。テーマソングの制作を申し出たのは市内に住む音楽家。地元店開発のラッキーパンダうどんやパンも好評だ。うどんの最新版には、上野動物園で誕生した赤ちゃんにあやかった双さんのイラストが描かれ、JR上野駅構内の土産専門店などで販売されている。

 ラッキーは二〇一八年二月で十八歳。新展開はあるのか。

 「これまで通り現れる日にはこだわる。出会う人が幸運を欲しがる県立高校の入試日、合格発表日などは欠かせない」。

 一方で、会員制交流サイト(SNS)の活用に本腰を入れる。「出会えない人にメッセージを送れるし、しゃべらない設定のラッキーが何を考えているのかも伝えられる」。目標(夢)は「ディズニーランドに行かなくても、所沢に行けば、ミッキーの代わりにラッキーに会える、とツイートしてもらう」ことだ。 (加藤木信夫)

<ラッキーパンダ> 2000年に突如所沢市内に登場。身長180センチ、体重はヒ・ミ・ツ。性格は明るく楽しく超ポジティブ。夢は世界平和とか。

<そう・だんべい> 生まれも育ちも所沢市の漫画家。地元紙やフリーペーパーで時事問題などをテーマに4コマ漫画を執筆。ラッキーパンダは双さんの漫画の中から街へ飛び出した設定。

 

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