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【埼玉】

3600万円返還請求は困難 上尾市贈収賄 前市長1、2期分退職金

島村前市長は、市長室で業者から現金を受け取ったこともあるという=上尾市役所で

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 上尾市のごみ処理施設の業務を巡り、業者から賄賂を受け取ったとして十一日、受託収賄罪で追起訴された前市長の島村穣被告(73)。二〇〇八年に初当選し、今年十月に逮捕された時は、三期目の任期途中だった。既に一、二期目の退職金計約三千六百万円は受け取っているが、業者との不適切な関係は一期目から続いていた可能性が浮かんでいる。 (牧野新、西川正志)

 「業者から問題のある金を受け取り、退職金まで受け取るのはひどい話。返還する義務はないのかもしれないけれども、自分から返してほしい」と憤るのは上尾市で飲食店を経営する女性(32)。

 島村前市長は一二年、一六年に再選。県警の調べでは業者社長とは二〇一一年〜一二年ごろに知り合った。捜査関係者によると、社長は「知り合った直後に前市長に数百万円渡した」などと供述しているといい、二人の不適切な関係は、このころから始まった可能性がある。

 業者は一二年二月からごみ処理施設の入札に参加、その後も複数回、参加し、落札したこともあった。

 起訴状などによると、島村前市長は今年一月の入札で、業者に予定価格などを漏えい。一八年に発注予定の業務を巡り、業者から便宜を図るよう依頼され、今年五〜六月、三回にわたり計六十万円を受け取ったとされる。いずれも三期目の任期中の出来事だ。

 退職金を支払う県市町村総合事務組合の条例では、禁錮以上の刑が確定すれば、犯罪を行った任期分の退職金は原則支払われず、返還請求もできると規定。組合はこの条例に基づき、刑が確定すれば、三期目の退職金約八百万円は支払わない。

 既に支払われた一、二期目の約三千六百万円について、組合の担当者は「犯罪の疑いがあるだけでは、返還を求めることはできない」と説明する。

 地方自治に詳しい昇秀樹・名城大教授(行政学)は「条例では返還の請求はできないが、自主的に返すのが政治家としての筋。条例についても市民が納得するよう考え直す契機になる」と指摘している。

 

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