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【埼玉】

秩父初本格ビール誕生 苦味や渋味抑えた「ペールエール」タイプ

お披露目会で秩父麦酒を提供する丹さん=秩父市で

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 秩父市の酒造会社「ベアーミートビアー」が十一月下旬、その名も「秩父麦酒」を発売した。苦味や渋味を抑えた「ペールエール」と呼ばれるタイプで、秩父産としては初の本格ビール。秩父は日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーのメーカーが集中し、全国的にも珍しいアルコールの一大産地となった。 (出来田敬司)

 秩父麦酒は三種類で、あっさりとした味わいの「カスケード」、軽くフルーティーな「シトラ」、爽やかで酸味の効いた「林檎(りんご)と熊」がある。いずれも出荷直前のろ過や加熱処理をしておらず、甘みや香りを損なわないようにしている。今後さらに種類を増やしていく予定という。

 醸造所の所在地は秩父市の中心市街地から北西約八キロにある同市下吉田地区。日本酒の酒造会社「タイセー秩父菊水酒造所」の旧貯蔵庫を譲り受けた。醸造責任者の丹広大さん(38)は「澄んだ空気と自然豊かな環境、硬度の高い水が立地の決め手となった」と話す。

 十一月下旬には同市番場町のバー「まほろバル」で、秩父麦酒のお披露目会が開かれた。ビール愛好者や市民らが大勢駆けつけ、ビールとおつまみのセットを買い求める姿が見られた。同市野坂町の飲食店員加藤香織さん(34)は「秩父名産のホルモン焼きにぴったりでは」と話す。

 まほろバルでグラス売りするほか、小瓶(三百三十ミリリットル)も年末から秩父地域の道の駅や土産物店などで発売する。小瓶の希望小売価格は五百四十円ぐらいとなる見込み。

◆西秩父に多い酒造会社

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 秩父はビールが加わることで多くの酒類を生産する地域になった。全国的にみても山梨県北杜市や静岡県御殿場市などに匹敵する。寒暖差の激しい盆地型の気候や荒川水系の豊富な水などが、酒造りに適しているようだ。

 秩父地域でも特に酒造会社が多いのは、小鹿野町と秩父市吉田地区(旧吉田町)からなる西秩父。荒川の支流に当たり、冬は秩父市中心市街地よりもさらに寒さが厳しい。「ベアーミートビアー」のほか「タイセー」「秩父ワイン」「秩父ファーマーズファクトリー」が生産拠点を構える。

 西秩父ではないものの、この地区に隣接する「ベンチャーウイスキー」は、世界的に名高い「イチローズモルト」で知られる。年間の寒暖差がウイスキーの熟成を早めているとされる。

 秩父市市街地には「矢尾本店」「武甲酒造」の日本酒メーカー二社が。いずれも創業が江戸中期と古く、それぞれ「秩父錦」「武甲正宗」の銘柄が地元の左党に親しまれている。

 秩父地域の各社間では、たるの再利用など、酒類の違いを超えて協力しようとする動きもみられる。

 

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