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【埼玉】

<ひと物語>幅広い世代が集う場に チームひだまり会長・上蓑礼子さん

「他人同士でも、つながりができれば助け合う気持ちになる」と話す上蓑礼子さん=いずれも川越市で

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 「子育て世代からシニアまで、ホッとできる居場所にしたい」。川越市川鶴で「コミュニティカフェひだまり」を運営する市民団体「チームひだまり」会長の上蓑(うわみの)礼子さん(60)は言う。

 その言葉通り「ひだまり」は、週一回の子育てサロンや学習支援、月一回の子ども食堂などの子育て支援のほか、高齢者のための囲碁教室、歌声喫茶など、幅広い世代が集う地域の拠点になっている。

 カフェの周囲は一九八〇年代に住宅・都市整備公団(現在の都市再生機構=UR)が川越市と鶴ケ島市にまたがって開発した一戸建てと中層団地の住宅街。少子高齢化が進み、UR関連会社が二〇一一年一月、団地再生事業の一環として、団地商店街の空き店舗を子育て拠点にする計画を立て、受け皿となる団体を募集した。同年九月、上蓑さんら有志十四人で結成したのがチームひだまりだった。

 上蓑さんは、地元の公民館で月一回開かれる「子育てサロン」に関わってきた。しかし、月一回ではなじめない母親たちも多かった。「子育ての孤立を防ぐには、いつでも集まれる場が必要」。そう考えていたところ、団地再生事業を知り、地域活動で知り合った人たちに声をかけた。

 上蓑さんたちは「子育て支援だけでなく、住みよい地域を自分たちでつくろう。そのために多くの人たちに主体的に関わってもらおう」と考えた。会員を集め、年三千円の会費でカフェを運営することにした。理解者を増やす努力を続け、発足時に五十五人だった会員は、今年十一月末で百四十人になった。

 一四年五月には「一番やりたかった」という学習支援「ひだまり塾」がスタートした。毎週土曜日、小学生から高校生まで十八人が、教員OBや大学生から個別指導を受ける。「大人にとって困る子は、貧困など家庭の事情で本人の方が困っているんです。勉強が嫌いなのではなく、かけ算や分数が身に付いていないだけの子もいます」という。「勉強が分かるようになると、自己肯定感を持てるようになり、生活も落ち着いていきます」

 針谷順子・高知大名誉教授(栄養学)との出会いがきっかけで、昨年五月からは、塾の生徒を対象に月一回の子ども食堂も始めた。針谷さんの指導で、子どもたちも自分で料理を作ってみたり、配膳の仕方を学んだりして、生活の知恵を身に付ける。

 「やる気のあるスタッフと、積極的に参加してくれる会員のみなさんのおかげで成り立っている」。上蓑さんは、そう繰り返した。 (中里宏)

<うわみの・れいこ> 1957年、福島市生まれ。宮城教育大学卒業後、4年間、仙台市で小学校教諭を務める。94年、一家で川越市に転入し、男女3人の子どもを育てた。自治会やPTA活動を通じて地域に溶け込み、2001〜16年、市の主任児童委員を務める。理化学研究所に勤める夫義朋さんと義母の3人暮らし。

 

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