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【埼玉】

<見て学んで楽しむ 彩の国 産業観光> (5)井上スパイス工業(上尾市)

工場見学のスペースに置いてあるスパイスについて説明する井上和人会長。見学者はスパイスの試食もできる

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 白を基調とした清潔感あふれる工場の扉を開けると、何種類ものスパイスが混ざり合った奥深い香りに包まれる。大きく息を吸い込み、堪能したくなるスパイシーな香りは、隣接するカフェに見学者をいざなうほどに食欲を刺激する。

 上尾市のスパイス製造会社「井上スパイス工業」の工場見学では、数十メートルの直線の廊下に沿って、主力商品であるカレールウの煮込み、乾燥、包装の各工程を大きなガラス窓越しに見ることができる。そこに二十種類のスパイスの芳醇(ほうじゅん)な香りがシンプルな見学に彩りを添える。会長の井上和人さん(78)は「ブレンド次第でスパイスの香りや味わいは無限大。食品のキーポイントはスパイスです」と言い切る。

 扱う商品は約二百種類と多彩だ。牛乳とお湯を混ぜるだけで本格的なチャイが楽しめるスパイス。カフェで提供されるカレーを簡単に再現できる数種類のスパイスが一冊の「本」に収まった「カレーブック」など、自宅でスパイスの魅力を存分に味わえる。

 創業は一九七四年。業務用スパイスの製造工場で働いていた井上さんが「食卓に近いスパイスを作ろう」と独立した。当初は海外から仕入れたスパイスを独自のブレンドで販売するなどしていた。徐々にカレールウなどの製造販売へと規模を拡大。八二年、上尾市に自社工場を設立した。

20種類のスパイスなどを煮込み、カレールウを作る従業員=いずれも上尾市の井上スパイス工業で

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 二〇〇〇年ごろ、新たに工場を建設するために全国のさまざまな工場を視察して回った。その時に出会ったのが滋賀県にあるアユの甘露煮の製造工場だった。

 この工場では、甘露煮ができるまでの工程をガラス越しに見学でき、毎週多くの客が来訪。併設された食堂も土産物コーナーもにぎわっていた。

 工場で楽しそうに過ごす客の姿に感銘を受けた井上さんは新工場のコンセプトを「見学」に決定。〇五年に現在の見学ができる工場が完成した。

 一五年には工場の隣に、自社製品の直売と、オリジナルスパイスを使った自慢のカレーなどを味わえるカフェを建設。今では年間三千人が見学に訪れるといい、最近では外国人の客も増え始めた。

 ここ数年で販路も海外に広がり、米国やオーストラリアなどにも出荷している。井上さんは「ジャパニーズカレーを世界に広めるのが目標。海外の人にもっと工場に足を運んでもらいたい」と願っている。 (西川正志)

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<井上スパイス工業> 上尾市上野491−1 見学は平日午前10時半〜、午後1時半〜の2回。4人以上の予約制。問い合わせは、フリーダイヤル(0120)729641へ。

 

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