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【埼玉】

<見て学んで楽しむ 彩の国 産業観光> (7)赤城乳業 本庄千本さくら「5S」工場

ガリガリ君など製造している生産ラインの様子を窓越しに見られる見学者コース。「冬場でも高稼働状態が続いている」と古市和夫専務=本庄市で

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 歯をむき出しにした、いがぐり頭の男の子のキャラクターを描いた包装とソーダ味が印象的な氷菓「ガリガリ君」。年間四億本以上売れている、日本で一番有名なアイスキャンディーだ。

 本庄市にある赤城乳業(本社深谷市)の主力工場「本庄千本さくら『5S』工場」は、ガリガリ君など各種アイス製品の製造工程を順を追って見ることができる。見学コースの出発地点には大きく開けたガリガリ君の口の中に扉を設けるなど子どもも楽しめるテーマパークのような趣だ。

 窓ガラス越しにアイス原料の貯蔵タンクや急速冷凍装置などを見て回る。見どころは「ガリガリ」とやや固い食感の表面部分と、内部の「シャリシャリ」感が味わえる独特の二層構造の製造ラインだ。

見学コースのスタート地点は、扉を開けてガリガリ君の口の中に入っていくユニークな趣向だ

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 金属製の型枠にアイスの原料を注ぎ、冷やし固める途中で中身を抜いて「殻」を作る。別工程で作ったかき氷を殻に充填(じゅうてん)し、棒を差して完成させる一連の工程が見渡せ、ビデオ映像による解説もある。

 「『二層構造ってこうやって作っているんだ』と驚かれるお客さまが多い」。見学者の案内役の一人、生産企画課の迫田諒子さん(25)はそう話す。コース終点の「ガリガリ君広場」で、冷凍ケースから商品を自由に取り出して食べることができるのも好評だ。

 初代工場長を務めた古市和夫専務(65)が振り返る。「ちょうど工場の設計図が出来上がった時期でした。資材費高騰にリーマン・ショックが追い打ちをかけ、工場の新設計画は危うく白紙になりかけた」

 世界的な金融危機の影響が日本にも及んだ二〇〇八年の暮れ。ライバル各社が軒並み設備投資計画を凍結するなか、将来の成長を信じ、年間売上高の六割に相当する巨費を投じる大勝負に打って出た。

見学者コースの終点には休憩スペース「ガリガリ君広場」があり、ガリガリ君グッズが買えるコーナーが人気だ

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 一〇年に完成した工場は社躍進の原動力になった。国内のアイスクリーム生産量の約一割に当たる大きな生産能力に加え、猛暑も味方に付け、社の売り上げは年を追うごとに伸長。一七年度の売上高は工場完成前の〇九年度比約一・八倍の勢いだ。

 工場は設計段階から「見せる」ことを意識し、見学者用コースを設けた。食品偽装問題が社会問題化していたのを教訓に「言葉で安全を訴えるより、実際に工場の中を見てもらったほうが消費者は安心するだろう」と当時社長だった井上秀樹会長(74)が提案した。見学者の受け入れは一一年にスタート。一七年九月には累計十万人に達した。

 製薬工場に準じた徹底した衛生管理や先端の製造設備など他にも見どころが多く、工場見学は一般消費者にとどまらず、食品業界や社員研修の利用も多い。一九八一年の発売以来、成長を続けるガリガリ君の秘密を知る貴重な場となっている。 (花井勝規)

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<赤城乳業 本庄千本さくら「5S」工場> 本庄市児玉町児玉850の10。入場無料。希望者が多く、申し込みが必要で、抽選となる。申し込みはインターネットか往復ハガキで。受付期間は見学希望月の3カ月前の1日から2カ月前の20日まで。例えば4月分は1月1日から2月20日まで。問い合わせは、フリーダイヤル(0120)606092へ。

 

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