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【埼玉】

古き良き「昭和の秩父」 貴重な写真集めたFBページが人気

旧大滝村役場前に停車した、かまぼこのような屋根のバス(1973年撮影、深田さん提供)

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 秩父地域の昔の風景写真を収めたフェイスブックのページ「昭和の秩父アルバム館」が人気を集めている。秩父夜祭や武甲山、秩父鉄道の旧車両など、懐かしの光景が広がっている。フォロワー数は七百人を超えた。ページを管理する飲食店経営の深田昭彦さん(60)は「写真を見てもらうことで、人の輪が広がれば」と話す。 (出来田敬司)

 封切り映画の広告が張り出された番場通りの交差点、屋根がかまぼこのようにすぼまった奥秩父の路線バス−。映画館は数十年前に秩父の町から消えた。変わった形のバスは幅狭のトンネルで車体をこすらないため。色あせた写真からは当時の暮らしや人々の知恵がうかがえる。

 反響が大きかったのは、秩父駅のそばにあった総合スーパー「キンカ堂」だ。日用品や食料品を取り扱うだけでなく、歌手や戦隊もののショーも開かれる一大娯楽施設だった。ページには六百八十件もの「いいね」が付き、アクセス数は一万件近くに。深田さんは「有名人でもない個人のページをこれだけの人が見ているとは」と驚く。

 これまでに掲載した写真は約百枚。出典は写真集やホームページ、近くの写真館から譲られた紙焼きなど。写真だけではなく、年代や場所などの情報も載せるようにしている。写真の引用元を明記する一方、個人が特定できるような写真は載せないなど気を配っている。

旧大滝村(現秩父市)の荒川に架かる登竜橋。現在は1本のみ。三峯神社へ向かう「表玄関」だった

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 ページの開設は昨年五月。深田さんはこれまで飲食店の経営に忙殺され、過去を振り返る余裕は少なかった。ただ、亡くなった父親が十四歳の時にしたためた手紙が、約七十年ぶりに送り先の家族から手元に戻ったことに思いを深くし、町の歴史を振り返るきっかけとなった。

 今では継続を後押ししてくれる熱心なファンも現れた。「写真がそろそろ尽きてきたなと思うと、提供してくれる人がいるんです」と深田さん。貴重な一枚を所蔵しているのではないかと、行政機関から照会を求められたこともある。

 深田さんは「町の将来は天気予報やファッションの動向と同じで、過去を洗い出すことで見えてくる。今後はテーマ別にまとめるなど、新たな展開もしたいですね」と意気込んでいる。

 

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