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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW> 昌平に新しい光 高校サッカー、埼玉復権へ

PK戦で広島皆実を破り、GK緑川(右から2人目)のもとに駆け寄る昌平イレブン=NACK5で

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 年末の12月30日から年をまたいで1月8日まで、第96回全国高校選手権大会が首都圏各地で行われた。埼玉でもNACK5大宮サッカー場、浦和駒場競技場、そして準決勝と決勝の舞台は埼玉スタジアムが使われ、熱戦が繰り広げられた。

 埼玉代表として出場したのは、3年ぶり2回目の昌平高校。県内高校サッカー界では「新鋭」に入るが、平成28年度夏のインターハイではベスト4まで進み、そのチームからは針谷岳晃(ジュビロ磐田)、松本泰志(サンフレッチェ広島)と二人のJリーガーも輩出している。今大会では優勝候補の一角に挙げられていた。

 チームを指揮する藤島崇之監督は、習志野高校時代に元日本代表の玉田圭司(現名古屋グランパス)らとともに高校選手権でもプレーし、大会優秀選手に選ばれている。当時の習志野を率いていたのは、今回も流通経済大柏を決勝に導いた「名将」本田裕一郎監督で、その薫陶を受けた。

 また昌平のコーチも務める父親の信雄氏は1970年代に日本代表としてプレーしたファイターで、日本のトップレベルを肌で知る人物の背中を見て育った。「最後は技術」と語り、ボールを大切にして主導権を握るサッカーを指向するところは本田監督の影響が感じられ、勝負に対する厳しさは信雄氏から学んだように思える。

 今大会で昌平は1回戦で優勝経験もある強豪・広島皆実と激突。1−1からPK戦で勝ち、選手権での初勝利を挙げた。続く2回戦では神村学園を相手に押しながら0−1で惜しくも敗退。好成績を残すことはできなかった。

 もっとも、敗れた神村学園戦でもボールを支配して攻撃的にプレーし、目指すサッカーはある程度できていた。課題は決定的なチャンスで決められず、一瞬の隙を突かれて失点したこと。優勢に試合を進めるチームが敗れるときにありがちなことではあるが、大会を勝ち抜くようなチームはそういったところまで細心の注意を払ってチームづくりをしている。

 優勝した前橋育英や準優勝の流経大柏などはまさにそう。ディフェンス面においては高校レベルでは最高峰と思わせるほどの厳しさや集中力の高さを示していた。一方、攻撃においても相手に守られた時の打開策として、セットプレーからのさまざまなアイデアをいくつも用意するなど、多岐にわたる準備をしていた。プレーのレベルとして、昌平は全国でも上位にあると言っていいが、日本一になるにはまだまだ足りない部分がある。

 かつて埼玉は、静岡、広島とともに「御三家」と呼ばれていた。それが武南が第60回大会で優勝して以来、もう36年も日本一から遠ざかっている。ベスト4進出も、武南の第71回大会を最後に果たせていない。かつての栄光を取り戻すのは簡単ではないが、新しい光が見える昌平には今後大いに期待したい。(サッカージャーナリスト)

 

 

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