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【埼玉】

コウノトリ舞う鴻巣に キャラなど活用「里づくり」

招かれた保育所の園児らに披露されたコウノトリのつがいのモニュメント=鴻巣市役所で

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 国の天然記念物コウノトリが舞う街に−。鴻巣市が市名とゆかりの深い「コウノトリの里づくり」を進めている。将来の人工飼育施設建設や、その先の放鳥・野生復帰を念頭に今春以降、国への働き掛けを強める方針だ。農薬や化学肥料の使用を抑えた稲作の普及や市民を対象にした環境教育の充実など、まずはコウノトリを受け入れるための下地づくりの真っ最中だ。 (花井勝規)

 先月下旬、鴻巣市役所でコウノトリモニュメントの披露会があった。手作りのコウノトリの帽子をかぶった地元の園児らが、等身大のつがいの像を囲んで完成を祝った。梶山和奏(わかな)ちゃん(6つ)は「コウノトリはかわいい。本物が空を飛んだらいいな」と夢を語った。

 原口和久市長は「コウノトリは水辺の生態系の頂点に立つ存在で、市のシンボルでもある。人にも生きものにも優しい環境づくりを浸透させたい」と語った。

 飼育と放鳥で実績のある千葉県野田市を手本に、鴻巣市は二〇一三年、「コウノトリの里づくり基金」を発足させた。市民からの寄付などで現在は一億円近くまで集めた。一五年には、飼育施設の建設を盛り込んだ基本計画を決定している。原口市長は「簡単ではないが、計画を認めてもらえるよう環境省や文化庁へお願いしている。一八年度中に良い方向性を出したい」と意欲を示す。

 市は、荒川流域の広大な自然環境と周辺自治体との連携に加え、飼育で三十年の実績を持つ県こども動物自然公園(東松山市)との協力関係を軸に国へアピールしていく構えだ。同園には市民を対象にした親子見学ツアーを実施しているほか、飼育員を講師に招いた講演会を開くなど緊密な関係を築いてきた。

 市がコウノトリにこだわる理由は、市内の鴻(こう)神社に伝わる「こうのとり伝説」だ。大樹に巣を作ったコウノトリが大蛇を退治し、里の災いが消えたという伝説が転じて「鴻巣」と呼ばれるようになったというのが市名の起源の有力な説だ。

 JR鴻巣駅前のコウノトリと巣のモニュメントなど市内の至るところにまつわるものがある。市の人気キャラクター「ひなちゃん」はコウノトリのひなという設定だ。

 JAさいたま鴻巣特別栽培米部会が生産している減農薬米の名称は「こうのとり伝説米」。JAさいたま鴻巣営農経済センターの松本泰宏さんは「環境に優しい農業を進め、人にもコウノトリにも優しいまちづくりに協力したい」と話している。

 

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