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【埼玉】

川越出身・小村雪岱の画業たどる 市立美術館生誕130年展

近年、雪岱が再評価され、学芸員の展示解説も毎回盛況となっている=川越市で

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 大正から昭和にかけて新聞連載の挿絵や装丁、舞台装置などで活躍した日本画家小村雪岱(せったい)(一八八七〜一九四〇年)の画業をたどる「小村雪岱−雪岱調のできるまで」が、川越市立美術館で開かれている。雪岱の生誕百三十年と美術館開館十五周年の記念特別展。三月十一日まで。 (中里宏)

 同美術館の折井貴恵学芸員によると、極細の描線と定規を使った直線、余白を生かした構成が雪岱の絵の特徴。雪岱の描く美人はきゃしゃな体に、つり上がったアーモンド形の眼を持ち、表情がない。これらの特徴が「雪岱調」と呼ばれ、新聞連載を通じて庶民に親しまれた。時代とともに忘れられていたが二〇〇九年、雪岱が一時期所属していた資生堂や、県立近代美術館が相次いで作品群を公開したことから、再評価の機運が高まり、雪岱に関する出版も続いている。

 約百九十点を集めた特別展は、挿絵原画を中心に、雪岱調が完成するまでを展示構成としている。

 雪岱は現在の川越市郭町で生まれ、東京美術学校(現東京芸術大)を卒業。一九一四(大正三)年、泉鏡花の戯曲「日本橋」の装丁に抜てきされて世に出た。一躍有名になったのが一九三三(昭和八)年、東京朝日新聞などに連載された邦枝完二の「おせん」の挿絵だった。

 展示の最後は一九四〇(同十五)年、都新聞(東京新聞の前身)に連載された林房雄の「西郷隆盛(第二部)」第八十六回の挿絵で、仕上げた後に脳出血で倒れ、二日後に亡くなった絶筆。挿絵のほかにも、大正初期の装丁の美しさと繊細さに、来館者が感嘆の声を上げている。初めて美術館グッズとして用意した雪岱の絵のプリント入りトートバッグ(八百円)なども好評だ。

 十七日午前十一時から、アートホールで、画家の北村さゆりさんの講演「宮部みゆきの連載小説の挿絵を描き終えて」が開かれる(申し込み先着八十人)。二十八日午後二時に学芸員の展示解説、三月八日午後二時に学芸員のワンポイント講座が開かれる。

 問い合わせは同美術館=電049(228)8080=へ。

 

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