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【埼玉】

「家族殺されたらどう思う」 熊谷6人殺害で死刑求刑

論告求刑公判に臨む佐々木直人裁判長(後列中央)ら=さいたま地裁で

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 熊谷市で二〇一五年九月、六人が殺害された事件の裁判員裁判(佐々木直人裁判長)の論告求刑公判で十九日、強盗殺人などの罪に問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)に死刑が求刑された。家族を失った遺族が公判の意見陳述で思いを訴えた。「なぜ殺されたのか」。遺族が追い求めた事件の真相は、被告の口から語られないまま、判決を迎える。(西川正志、牧野新)

 「これが最後なので、イヤホンをつけるように言ってください」。妻子三人を殺害された男性は意見陳述前に要請した。佐々木裁判長が何度も被告に通訳の音声が流れるイヤホンを着けるよう促したが、被告は応ぜず、終始、腕組みをしたままうつむき続けた。

 男性は妻の加藤美和子さん=当時(41)、娘の美咲さん=同(10)、春花さん=同(7つ)=との思い出を感情を抑えて語った。手づくりの料理が並ぶ食卓、「パパと結婚したい」と書いてくれた娘の手紙…。幸せな日常は、事件で失われた。

 葬儀の際、棺に入れるために娘を抱きかかえたのが最後の抱っこだった。「時間が止まってほしい」。そんな思いがあふれた。それからは家族を失った苦しみにさいなまれ続けた。

 男性は被告に「反省どころか最低限の礼儀を尽くすというレベルにもない」と怒りをぶつけた。そして裁判員らに訴えた。「自分の家族が全員殺されたらどう思いますか。犯人が精神障害だったから、それは災難でしたね、とあきらめるのでしょうか」

 

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