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【埼玉】

日中交流の拠点 惜しむ声 小鹿野の神怡館が来月末閉館

来月末閉館の神怡館。中国風の造りが特徴=小鹿野町で

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 中国山西省の文化や風土を伝える「県山西省友好記念館 神怡(しんい)館」(小鹿野町両神薄)が3月末で閉館する。開館から26年。入館者が減り続ける一方で、維持するための経費が重くのしかかるためだ。地元では人気の観光施設だとして、新たな活用を求める声も上がっている。 (出来田敬司)

 朱塗りの柱を備えた外壁と、天に向かって反り返ったオレンジ色の瓦屋根。西秩父の山に囲まれたのどかな里に、中国風の建物が際立つ。館内には大陸の菩薩(ぼさつ)像、壁画、塔などのレプリカがずらり。とりわけ黄河や万里の長城で知られる山西省の建築や芸術などを詳しく紹介している。

 神怡館は、県が山西省と友好県省を締結し十周年となるのを記念して、一九九二年五月に開館した。

 モチーフとなったのは、同省五台山にある唐代の仏光寺東大殿。鉄筋コンクリート造りの平屋で、床面積は千百平方メートルにも。建設費や展示品などを含めた事業費は十一億八千万円に上った。

 初年度の入館者は四万八千人。開館の際には省のトップらが駆けつけるなど、しばらく中国側と密接な交流もあった。しかし来館者は一貫して減少。異国情緒あふれる外観から「コスプレの聖地」として注目されたが、二〇一七年度(一月末まで)には七千七十人に落ち込んだ。

 理由について、神怡館を所管する県環境政策課の担当者は、ネットが普及し同館を訪れなくても現地の情報に接しやすくなったこと、常設展示がほとんどで再来館するリピーターが少ないこと−を挙げる。さいたま市から車で約三時間と、アクセスが良くないことも背景にありそうだ。

 県は一六年四月、施設の効率的な維持管理や財政負担の軽減のため「県庁舎・公の施設マネジメント方針」を策定。神怡館については「廃止や転用を含めて検討」とする方向性を示した。修繕した場合、今後四十年間で五億六千万円程度が必要となる。県は昨年十二月の県議会定例会に同館を廃止する議案を提出し、可決成立した。

 県は「閉館後の建物をどのように利用するか、地元の小鹿野町と検討中」としている。ただ、展示品の売却や廃棄などに時間がかかるため、再利用は早くとも一九年四月以降になる見通しという。

 

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