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【埼玉】

金子さんの足跡を後世に 長瀞の野口さん 写真集、秋にも発刊

金子さんの写真集の編さん作業を進める野口さん=長瀞町で

写真

 20日に98歳で亡くなった俳人の金子兜太さんをしのび、親交のあった写真家の野口正士さん(75)=長瀞町=が中心となり、金子さんの写真集の編さんを進めている。古里・秩父の住民と交流する姿や、各地に残された句碑などを収める。金子さんの誕生日の9月23日にも発刊したい考えだ。 (出来田敬司)

 野口さんは秩父鉄道の元鉄道マン。その傍ら半世紀以上にわたり、地元・秩父の史跡や自然を撮り続け、写真コンクールに出品した。明治時代に困窮した農民が蜂起した「秩父事件」や地域の文学碑などを調べ上げ、「ちゝぶ文学散歩」「石碑が語る秩父事件百三十年」などを発刊してきた。

 金子さんとの出会いは二〇〇四年、皆野町の水潜寺でのこと。句碑の除幕式を撮影する際に、碑に手を掛けるよう金子さんにお願いした。これを機に、以後すべての句碑の除幕式や九月の誕生会などを取材。野口さんの著書に序文を寄稿してもらうようにもなった。〇九年には金子一族の文学作品を紹介する「金子父子の文学碑」を著した。

 野口さんの活躍を知るみそ醸造業「新井武平商店」社長で金子さんとも親交が深い新井藤治さん(70)=皆野町=は、かねて「金子さんの足跡を示すような写真集をつくりたいね」と野口さんに打診していた。新井さんは死去前日の十九日に病床で面会。「もう残された時間は少ない」と感じ、改めて野口さんにお願いした。

 写真集は、秩父地方に残る句碑のほか、毎年の誕生会で講演している様子、なじみの皆野町の飲食店「吉見屋」でウナギを頬張る姿などを収録。金子さんの人柄が分かるような写真集にする考えだ。

 野口さんは「日本を代表する俳人でありながら、偉ぶるところがない人だった。金子さんの思い出を多くの人に寄せてもらい、写真集に反映したい」と意気込む。新井さんは「金子さんの俳句は地域の宝。生涯を振り返り、これからの町の力になるような写真集にしたい」と話す。

 

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