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【埼玉】

俳人・金子兜太さん 熊谷で葬儀・告別式

金子兜太さんの遺影が飾られた祭壇=熊谷市で

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 俳人金子兜太さんの葬儀・告別式が2日、熊谷市の斎場で営まれ、参列した句会関係者や市民らが悲しみに暮れた。俳句界の巨人の死去に、会場内には「痛恨の極み」(石木戸道也皆野町長)などと大きな喪失感が広がった。 (花井勝規)

 俳句の勉強会「熊谷兜の会」のリーダーを務める篠田悦子さん(87)は「金子先生が亡くなるなんて夢を見ているよう。告別式に来ても現実感がわかない」。金子さんの大ファンという鴻巣市の会社員木村龍司さん(23)は訃報を知り、告別式に駆けつけた。「まさに俳句界の巨星。喪失感は計り知れない」

 金子さんの自宅近くにあり、行きつけだったフランス料理店「アミュゼ」の経営者山崎法夫さん(63)は「あの年齢でいつもフルコースを完食されていた。昨年十二月にも元気な姿を見せてくれただけに残念」と肩を落とした。 

 弔辞で「失ったものの大きさを痛感している」と述べた富岡清熊谷市長は一方で、「俳句と平和を希求した尊い遺志は後進の皆さんに受け継がれていく」と期待を示した。

 金子さんが主宰していた句誌「海程」はことし九月に終刊となり、翌月創刊の「海原(かいげん)」に引き継がれる。海程会の安西篤会長は金子さんから「海程の路線を踏襲するのではなく、新しい大きなうねりに乗せて行けと言われた」と語った。

 海程同人で、若手俳人のリーダーとして知られる大学講師田中亜美さん(47)は「金子先生からは『若い世代に俳句の五・七・五の文化を引き継いでほしい』と言われた」。「悲しいけれども前を向いて歩いていきたい」と、俳句教育に力を注ぐ決意を示した。

 式場の一角に故人ゆかりの品々が展示され、独特の筆致で「ありがとう」と書かれた額や愛用の文房具などを参列者が見入っていた。

 

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