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【埼玉】

マジックで心の支えに 被災地に20回超 所沢の松岡さん

震災翌日の地元紙の紙面スクラップを手にする松岡幸雄さん。講演会の冒頭で披露するという=所沢市で

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 所沢市の元小学校校長松岡幸雄(ゆきお)さん(76)は、東日本大震災の被災地を訪れ、趣味のマジックを披露するボランティア活動を続けている。「心の復興支援」ととらえている自らの体験を十日、所沢市で開催の講演会で話し、「大震災を忘れないで」と訴えるつもりだ。 (加藤木信夫)

 震災発生から間もない二〇一一年三月二十一日。「皆さんの心を少しでも和らげることができれば」という思いに突き動かされ、福島県からの避難者が滞在していたさいたまスーパーアリーナへ赴いた。笑いを引き出す漫談を交えながら、さまざまな手品を披露すると、「アンコール」の声も飛んだ。

 「こんなに喜んでもらえるのだから、被災地に行こう」と思い立った。一一年五月の宮城県石巻市を皮切りに、仮設住宅の集会場、津波被害を受けた寺院などを次々に訪問。被災地訪問は七年間で二十数回に及び、「震災後、初めて心から笑えたと、何人にも言っていただきました」と振り返る。

 墓が壊れたり、流されたりした故人の骨つぼを預かる寺の本堂でマジックをしたこともある。並ぶ骨つぼを背に披露すると、被災者らが、「私は元気でいるから心配しないでね」と骨つぼに向かって話し掛けているように見えた。胸の詰まる思いをこらえながら演じたという。

 松岡さんは県内で、自らの体験を語る講演会も精力的にこなしている。十日は「東日本大震災の復興支援〜七年間のボランティア体験」と題して話し、当時を想起してもらおうと震災翌日の岩手、宮城、福島の地元紙計四紙の紙面スクラップを手にする。

 「一九九九年から十年ほどをかけて、休みを利用して自転車とランニングで列島を縦断した。東北の人たちに採れたての果物をもらったり、一夜の宿をお借りしたりした。その恩返しをしていきたい」との思いも活動を後押しする。

 講演会は十日午後二時〜四時、所沢市並木六の市生涯学習推進センターで。事前申し込み不要、参加無料だが、先着八十人。問い合わせは、主催する市民団体「生涯学習をすすめる所沢市民会議」事務局=電04(2991)0303=へ。

 

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