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【埼玉】

師弟太鼓で「双葉の音」 離れ離れ町民、加須で2回目交流会

一緒に太鼓をたたき「共演」する小丸さん(右から2人目)と横山さん(同3人目)=加須市で

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 東日本大震災の発生から十一日で七年となるのを前に、加須市のNPO法人加須ふれあいセンターで八日、福島県双葉町の町民が交流する会が開かれた。旧県立騎西高校の避難所閉鎖後に離れ離れになっていた町民らが再会し、旧交を温めた。町民が慣れ親しむ「標葉(しねは)せんだん太鼓」の保存会のメンバーが福島県本宮市から駆け付け、避難者の心に寄り添い演奏した。 (中西公一)

 ドン、ドン、ドドン。

 保存会の横山久勝会長(63)ら本宮市と加須市で避難生活を送るメンバー四人が太鼓をたたき、福島県いわき市からバスで訪れた双葉町民を出迎えた。横山さんの傍らでは加須市で八十代の祖母と暮らす会社員小丸佳久さん(24)もバチを握った。

 標葉せんだん太鼓は横山さんが発案し、一九九二年に保存会が発足。小丸さんは小学生の時、太鼓教室で横山さんから教えてもらった。小丸さんによると、震災時、古里の家は津波の被害に遭い、祖母は首まで水につかり、バチもはんてんも流されたという。

 震災を経て、およそ十二年ぶりに一緒に太鼓をたたいた「師弟」。小丸さんは「震災前の双葉のことを思い出す」と懐かしみ、横山さんは「すっかり好青年になっていて喜んでいます」と顔をほころばせた。

 双葉町民が一時過ごした加須市の旧騎西高の避難所は二〇一四年に閉鎖された。町民は離れ離れになり、加須市や福島県内の各地で避難生活を送っている。

いわき市から交流会に訪れ、再会を喜ぶ町民ら

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 交流会は昨年に続いて二回目。今年は福島県白河市、いわき市、本宮市などから約三十人が訪れ、加須市で暮らす町民ら約百人と食事をしたり、お茶を飲んだりしながら、思い出や近況を語り合った。白河市から来た舘林孝男さん(63)は「心の復興は必要だと思う。交流し、心を癒やすことは意味がある」と話した。

 交流会の終盤、保存会のメンバーは双葉町の四季や情景を太鼓で表現した「いなずま」と「夏」の二曲を披露。加須の地に「双葉の音」が響き渡った。

 メンバーの今泉千鶴子さんは「久しぶりに双葉のことを思い出してもらえればと思い、一生懸命たたいた」。かつて双葉町での催しなどで演奏を聴いていたといういわき市の高野一美さんは「懐かしい。古里のことを思い出す」と感慨深げだった。

 

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