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【埼玉】

「むのたけじ賞」創設へ 民衆目線、ジャーナリストに光

2015年7月、本紙のインタビューで話すむのたけじさん=さいたま市で

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 2016年に101歳で亡くなったジャーナリストむのたけじさんの精神を受け継ごうと、県内で親交のあった市民らが「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」の創設を準備している。むのさんが地元の秋田県で週刊新聞「たいまつ」を発行していたことを踏まえ、草の根の報道に取り組む個人や団体を表彰する。 (井上峻輔)

 戦時中に朝日新聞の記者だったむのさんは、戦意高揚をあおる報道に加担した責任を感じて敗戦と同時に退社。一九四八年に「たいまつ」を創刊し、教育や農業問題を中心に社会の矛盾を追った。七八年に休刊した後も、講演などで反戦平和を訴え続けた。

 晩年はさいたま市内で過ごし、市民向けのジャーナリズム講座で講師を務めることもあった。講座の主催者で賞の発案者でもある武内暁さん(69)は「むのさんは上からではなく民衆の目線で、常に平和を考えていた。賞を創設して同じ精神で活動している人に光を当てたいと考えた」と語る。

 賞は「たいまつ」のような全国の地域紙やミニコミ誌のほか、映像やネットメディアで発信している個人や団体も対象にする予定。地域に眠っている無名な人の登竜門にしたいという。

 賞の創設に賛同したルポライターの鎌田慧さんや評論家の佐高信さん、立教大名誉教授の門奈直樹さんらも呼び掛け人に加わった。六月に実行委員会を発足して自薦・他薦を問わずに候補者を募集し、一九年二月に受賞者を発表する。

 むのさんの次男で賞の呼び掛け人の一人の武野大策さん(64)=さいたま市=は「晩年の父は安保法制が強引に決められるような状況を危ぶみながらも、平和が常識という中で育った若い世代に希望を持っていた」と語り、「今こそたいまつのような存在が必要では」と新たな人材の発掘に期待している。

 十四日にさいたま市南区の武蔵浦和コミュニティセンターで開かれる「埼玉・市民ジャーナリズム講座」で、賞の概要発表や大策さんの講演を行う。午後二時からで予約不要、会費五百円、

 問い合わせは武内さん=電090(2173)2591=へ。

 

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