東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

行田市文化財「旧忍町信用組合店舗」 水城公園に移築

水城公園に移築・復元された旧忍町信用組合店舗

写真

 行田市に残る大正時代の洋館の一つ「旧忍町(おしまち)信用組合店舗」が市内の水城公園内に移築・復元され、もえぎ色の外観など96年前の姿が現代によみがえった。復元に市が投じた額は国の交付金を含め約1億900万円。完成披露のため市は21、22の両日、建物を一般公開する。9月から市民団体が運営するカフェとしてオープンする予定。 (花井勝規)

 旧忍町信用組合店舗は、現在の埼玉縣信用金庫(本部・熊谷市)の前身である忍町信用組合が一九二二(大正十一)年、同市行田に開設した木造二階建てのコロニアル様式の洋館だ。

 昭和三十年代初めまで足袋産業を金融面で支える拠点として使用されていた。その後売却され、近年は地元自治会が集会所として利用していた。二〇一六年に市の文化財指定後、市に寄付された。昨春、文化庁の「日本遺産」に認定された「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」を構成する三十九の文化財の一つでもある。

 老朽化が進み、耐震対策の必要性から市は移築・復元を決め、建物の調査や施工管理はものつくり大学の横山晋一教授の研究室に、施工は歓喜院聖天堂(熊谷市)の修理などで実績のある魚津社寺工務店(名古屋市)に委託。昨夏から工事が進められてきた。

移築・復元前の旧忍町信用組合店舗=いずれも行田市で

写真

 横山研究室による部材調査は一万点を超え、既存建物の古材を六割近く再利用して延べ床面積百五十平方メートルの建物が完成した。

 市教育委員会文化財保護課の中島洋一課長によると「再現された外観の塗装色が一番の見どころ」という。色あせて白っぽかった以前の建物からは想像しにくいが、写真の画像解析やわずかに残されていた塗料痕の分析で、建設当初はもえぎ色など緑色系三色の塗装が施されていたことが判明したという。

 中島課長は「文化財の保全に加え、憩いのスポットとして活用できるよう整備した。多くの人に見に来てほしい」と話している。

 一般公開についての問い合わせは同課=電048(553)3581=へ。 

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報