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【埼玉】

県が非常事態宣言も… 交通事故死、全国最多64人

 県内で交通死亡事故が多発している。県警によると、今年に入ってからの交通事故による死者は十九日現在、全国最多の六十四人。県は二月に非常事態を宣言、県警も対策を強化した。だが三月は二日に一件のペースで発生し、事故が収まる気配はない。 (牧野新)

 県内の交通死亡事故は、十九日現在、六十三件発生、六十四人が死亡した。全国で二番目に多い百七十七人が亡くなった昨年の同日より死者数は十人増えている。

 死者六十四人のうち、六十五歳以上の高齢者は半数を超える三十四人。六十三件の事故の三割で高齢者が過失の重い「第一当事者」になっており、高齢者が事故に多く絡んでいることがうかがえる。

 県警の担当者は「高齢者は衰えもあり、運転中の判断力が鈍って事故を引き起こしやすい。事故に遭った場合も体をかばえず、致命傷につながることもある」と分析する。

 交通死亡事故が多発する一方、人身事故は減少。十九日現在で、昨年同日に比べて一割ほど少ない七千二百二十二件にとどまっている。

 人身事故が減っているのに、死亡事故が増えている状況について、県警の担当者は「明確な理由が見つからない」としているが、「とにかく歩行者も運転者も交通ルールを守ってほしい」と呼び掛けた。

清水さんが亡くなった事故現場に花を供え、手を合わせる友人ら=さいたま市浦和区で

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◆友人亡くすまで「人ごとだった」

 さいたま市浦和区上木崎の県道で、七日未明、近くに住む会社員清水陽介さん(32)が軽自動車にひかれて亡くなった。友人の中島慎悟さん(32)らは、告別式を終えた後、事故現場に立ち寄り、花を手向けた。

 大学で同じサークルに所属して以来の仲。清水さんは代表として百人規模のサークルをまとめていた。事故の一週間前には、酒を飲みながら営業マンとしての目標を熱く語っていた。

 底抜けに明るく、後ろ向きなことを口にしなかった清水さん。告別式で兄は「太陽みたいに明るい弟だった」としのんだという。

 「陽介なら『やっちまった』って天国でも笑ってるんじゃないかな」。中島さんらは清水さんを思い、手を合わせた。

 突然の交通事故で命を落とした友人を思うと無念でならない。「正直、陽介が事故に遭うまでは交通事故なんて人ごとだった。このことを知り合いに伝えて少しでも事故を減らしたい」

 

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