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【埼玉】

消える商店街 歯止めを 県が8市町に専門家派遣

歩行者専用道の両脇に店舗が並ぶ大井ショッピング商店会。近年は閉店する店が増え、人通りは少ないという=ふじみ野市で

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 商店街が消えていっている。県内ではピークの二〇〇一年に千百八十三カ所あったのが、昨年は八百九十二カ所に減った。歯止めをかけようと県は本年度、県内八市町に専門家を派遣して活性化を図る「NEXT商店街プロジェクト」に乗り出した。空き店舗の増加や高齢化など課題が山積みの中、外部の目によって可能性を見いだす作業が始まる。 (井上峻輔)

 「せっかく手を差し伸べてくれても、高齢化が進んだ現状ではすがりようがない。二十年前に手を差し伸べてもらっていれば…」。商店街側の一言で、会議室に重い空気が漂った。

 八市町の一つであるふじみ野市で五月二十三日に開かれた第一回会議。県や市、地元商工会の関係者と商店街の代表たちが顔をそろえた。プロジェクトの対象になったのは、最寄り駅から二キロほど離れた亀居中央商店会と大井ショッピング商店会。市が駅前ではなく利便性の低い地区を選んだのは「このチャンスを逃すと数年後になくなってしまうかも」という危機感からだ。

 だが、当事者たちの口からはそれ以上に厳しい現状認識が相次いだ。「平均年齢は七十歳を超えている」「自分の商売のあすも分からない状態」「シャッターを閉めた店が十店舗ほどあるが、住居にしていて貸すつもりはないようだ」「はっきり言って組合を解散しようかとも思っている」

 一九七〇年ごろにできた大井ショッピング商店会は、百メートルほどの歩行者専用道の両脇に店が並ぶ。バブルのころまでは三十六店舗が軒を連ね、人の多さで通りの反対側まで見通せなかったという。周辺に大型スーパーなどが増えた今は店舗数は十六に減り、人通りもほとんどない。

 そんな商店街の支援を任されたのは、各地で地域活性化に取り組む商業タウンマネジメント(神戸市)の東朋治代表だ。会議ではさすがに困った様子だったが、実際に商店街に足を延ばすと表情が変わった。

 「ばっちりですよ。何でもやれる」。歩行者専用道の雰囲気を「いろいろなイベントもできる」と評価。路上でおでんを売る店や精肉店の店主と話をしながら、イメージを膨らませていった。

 「確かに商店街の人が自分たちで何かをするのは厳しいかもしれない。でも周囲を巻き込んでいけばいい」。今後は各商店の意向や地域のニーズを把握しながら、空き店舗の利用や誘客イベントなどの方針を固めていく。近くにある大学との連携も視野に入れる。

 ふじみ野市以外では熊谷、所沢、本庄、深谷、越谷、蕨の各市と寄居町でプロジェクトが動きだした。県の担当者は「商店街にはそこの人たちが気付いていない魅力がある。専門家が伴走しながら道をつくり、将来的に地元の力でやっていけるようになれば」と語る。

 

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