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【埼玉】

乳がんの経験者用下着工夫「快適に」 さいたま市ボーマンさん自身の経験で開発

販売している下着を紹介するボーマンさん=さいたま市中央区で

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 乳がんで右胸の乳房を全摘したさいたま市のボーマン三枝さん(36)が、乳がん経験者向けの下着を販売している。店名は英単語の「Cancer(がん)」の頭文字と「Love(愛)」をつなげた「下着屋Clove(クローブ)」。乳がんを乗り越えた経験をプラスにしたいとの思いを下着に込めた。 (牧野新)

 タンクトップほどの着丈で、ブラジャーの役割を担う上半身用下着。両胸部分にそれぞれパットを入れるポケットがあり、切除した胸のふくらみを自由に調節できる。使用する綿は汗をかいてもサラリとしていて、胴回りに花柄のレースをあしらった。

 「治療の副作用で大量に汗が出ることがある乳がん患者に快適に過ごしてもらえるように工夫した」とボーマンさん。昨年八月の販売開始から百枚弱を売り上げ、気に入って買い足してくれる客もいる。

 ボーマンさんが乳がんと診断されたのは、二〇一三年夏。英国人の夫と結婚した直後で、岡山県から埼玉県に引っ越して間もないころだった。思い描いていたのは子どもを授かって親子仲良く暮らす明るい未来。乳がんと分かった時は「早く死ぬのかな」と絶望感が押し寄せた。がんは転移しておらず、初期段階。だが不安を取り除く思いで右胸の乳房を全摘した。

 摘出後に気付いたのは、乳がん経験者向けの下着の少なさ。専門店やインターネット通販で購入したが、汗でむれたり、化学繊維にかぶれたりするなど不快さを感じた。

 「乳がん経験者の私だから作れる下着がある」。子どもに恵まれ、家庭生活も充実させたいと、時間を柔軟に使える起業を考えていた時期。クラウドファンディングなどで資金を収集。一六年に個人事業を立ち上げ、乳がん経験者の集まりで聞いた意見を素材やデザインに取り入れた。現在はインターネットや電話で注文を受けている。

 ボーマンさんは二カ月に一度、さいたま市中央区で試着会を実施。希望があれば個別での試着にも応じている。下着はピンクと灰色の二色で、税抜き四千八百円。詳しくは、下着屋クローブのホームページへ。

 

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