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【埼玉】

秩父の食、シリコンバレーへ 官民で販路拡大を目指す

総領事館やIT企業の関係者を招いた「秩父ナイト」で、秩父の食を楽しむ参加者たち=米シリコンバレーで(秩父地域地場産業振興センター提供)

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 秩父地域一市四町の食品を米国カリフォルニア州シリコンバレーに輸出しようとする動きが活発化している。昨年十一月、和菓子店「秩父中村屋」(秩父市)が地場産のまんじゅうを発売、ハイテク企業の技術者たちに受け入れられた。「世界に通じる味になれば」と関係者の期待は高まる。 (出来田敬司)

 輸出の旗振り役を務めるのは秩父、横瀬、皆野、長瀞、小鹿野の一市四町の官民団体でつくる「秩父地域地場産業振興センター」。地元の民間企業で構成する「ファインドチチブ」の分科会と連携し、二〇一五年度からシリコンバレーに特化して販路拡大を模索してきた。

 シリコンバレーはサンフランシスコの南部一帯。アップルやグーグル、フェイスブックなど情報技術(IT)企業の本社が集まる。センターの担当者は「教育水準や所得水準が高い上、健康志向が強い」と進出の理由を話す。

 現地の日系スーパー「マルカイ」でこれまで三回、秩父の産品を扱う「秩父フェア」を開催し、みそやこんにゃく、焼き菓子などを販売。今年二月には、現地の日本庭園で「秩父ナイト」を開き、総領事館やIT企業の関係者を招き、秩父の調理師が地元の食をふるまった。

 センターは現在、地域の食品会社を対象に、まんじゅうに続く新たな商品を募集している。

◆まんじゅう 一番乗り

米シリコンバレーで発売中のまんじゅうを手に取る中村社長=秩父市で

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 シリコンバレーに一番乗りを果たした「秩父中村屋」のまんじゅう。健康志向の高まりと、中村雅夫社長の海外進出に向ける強い思いが、成功につながった。

 茶色い黒糖入り、緑のよもぎ入り、黒い竹炭入りの三種を現地で販売。冷凍にして船便で送り、そのままの状態でスーパーの店頭で販売する。価格は一個一ドル七十セント(百八十円相当)。秩父の店頭に比べて約八割高くなる。

 中村社長は五年ほど前から海外進出を模索。アジアは既に多くの企業が進出しているからと、当初から米国に狙いを定めた。秩父産のメープルシロップを使ったお菓子も扱っていたが、現地スーパーから「和菓子にしてほしい」と要望があった。

 和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたこともあり、和菓子は現地で「和食のデザート」として人気があった。まんじゅうは「オーソドックスな和菓子」と評判で、すぐに出荷数量を五割増しにした。

 中村社長は「もうけは全然だが、米国に輸出すると言えば自慢話にもなる。地方の中小企業でも世界に通用することを証明したい」と話した。

 

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