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【埼玉】

慰霊込め一般公開 ステンドグラスを修復 広島の世界平和記念聖堂

職人(右)から修復作業について説明を受ける来場者=さいたま市西区で

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 国内有数のステンドグラス工房「バロック」は17日、さいたま市西区の工房で、修復を手がけた国の重要文化財・世界平和記念聖堂(広島市)のステンドグラスを一般公開した。原爆犠牲者を慰霊し、人類に平和を問う貴重な文化財の修復作業について、県内外から訪れた数百人が職人から説明を受けた。(牧野新)

 原爆投下で全焼したキリスト教会跡地に、一九五四年に建設された聖堂のステンドグラスは、世界平和を願い、欧州各国から贈られ、六二年に設置された。大小さまざまな色ガラス数片〜数百片を組み合わせて作った八百八十八枚。

 多くが五十年以上風雨にさらされ、うち三百二十八枚は割れたり、塗装がはげたりし、修復が必要だった。二〇一六年から聖堂の耐震補強工事が行われており、ステンドグラスの修復はその一環。

 「これだけ大規模な重文のステンドグラスの修復は初めて。試行錯誤して成し遂げ、市民のみなさんに見ていただけるのは職人冥利(みょうり)に尽きる」とバロック代表の臼井定一さん(70)。

 臼井さんをはじめ、実際に修復を行った職人が来場者に工程を説明。「ステンドグラスの劣化状態を一枚ずつ確認し、文化財としての価値を残すため、劣化した部分もなるべく交換しないように工夫した」などと修復を振り返った。

 親子で訪れたさいたま市西区の見村悦子さん(50)と佳映(かえ)さん(18)は「文化財修復について職人から説明を受けるのは貴重な経験。古い材料を残す職人技に驚いた」と目を輝かせた。

 視察に訪れた同市の清水勇人市長は「原爆犠牲者を慰霊する聖堂のステンドグラスがさいたま市で命を吹き返してくれた。日本有数の技術を持った工房があるのは市の誇り」と功績をたたえた。

 

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