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【埼玉】

東京五輪聖火リレー どこ走る? 市町村から誘致殺到

 二〇二〇年東京五輪の聖火リレーの県内ルート選定が、七月から本格的に始まる。ビッグイベントの雰囲気を地元で味わう絶好の機会だが、県内でのリレーは三日間だけ。県内全域を回るのは現実的ではない中で、各市町村から「ルートに組み込んでほしい」という希望が県に殺到している。選定は多方面からの要望に折り合いを付ける難しい作業になりそうだ。 (井上峻輔)

 県内ルート案の策定は県が七月に立ち上げる実行委員会が担当し、十二月までに案をまとめて大会組織委員会に提出する予定。最終的なルートは組織委が来夏に発表する。

 競技会場がある埼玉県は他県よりも一日多い三日間が割り当てられた。とはいえ、全国で三番目に多い六十三市町村がある中で「全市町村を回るのは難しい」(県オリンピック・パラリンピック課担当者)。同課によると組織委は「一日八時間」「一人二百メートルで時速六キロほど」などの条件を示していて、一日で走れる距離も計十六キロほどに限られるという。

 そんな中で何とか地元での聖火リレーを実現しようと、市町村は県への要望に熱を入れている。

 「聖火リレーが蕨市と戸田市を通過するルートについて検討いただきますよう、切に要望いたします」。蕨、戸田両市長は四日、そんな要望書を連名で県に提出した。

 熊谷市や北本市などの十市町は合同で、国道17号を通るルートを希望。「県の端には来てくれないのでは」と危機感を持つ三郷市など県南東部の四市町も合同で要望書を提出した。川口市も市内をルートに組み入れることを求めている。

 「一日十六キロ」では、これらの要望にすべては応えられない。ただ、人が走ってリレーする区間の間を車でつなぐことは認められている。各市の中心部だけを走り、その間は車で移動するといった形式も可能だ。そのため「短い距離だけでもいいから市内を走ってほしい」(川口市の担当者)といった声もあがる。

 問題は、車で移動する時間も「一日八時間」に含まれてしまうことだ。多くの要望に応えようとすると、実際に聖火リレーが行われる時間が短くなってしまうというジレンマもある。

 ルート選定は大型バスなどの約三百メートルの車列が運行できるかや、毎日の出発と到着時のセレモニー会場が確保できるかも重要になる。まだ組織委から示されていない「聖火がどこから県内入りして、どこに出て行くか」にもルートは大きく左右される。

 実行委員会は今後、あらためて全市町村の考えを聞く調査を行う予定。アンケートや投票の形で県民にルート選定に参加してもらうことも検討する。

◆前回1日半で80キロ

 一九六四年の東京五輪でも、県内で聖火リレーが行われた。群馬県から上里村(現上里町)に入って国道17号を南下し、戸田町(戸田市)から東京都に引き継ぐコース。約八十キロの道のりを、一日半かけて六十八人がつないだ。

 初日だけで県庁までの約七十二キロを途中で車を使うことなくリレーしていた。一人当たり一〜二キロを受け持ち、時速十二キロほどのハイペースで走った。ランナーは体力のある中高生が中心だったという。

 二〇二〇年の聖火リレーは老若男女が一人当たり二百メートルほどの距離を時速六キロほどでゆっくりと走る。前回の聖火リレーとは、かなり違った雰囲気になりそうだ。

 

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