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【埼玉】

<国吉好弘の埼たまNOW>W杯、日本ベスト16入り 勇気ある監督交代 奏功

コロンビア戦の後半、勝ち越しゴールを決めた大迫(15)を笑顔で迎える日本イレブン=19日、サランスクで(共同)

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 熱戦が続くサッカーW杯ロシア大会。低調だった大会前の評判を覆して、日本代表はグループステージを1勝1分け1敗の成績ながらH組を2位で突破。2002年、10年に続く世界のベスト16入りを果たした。

 初戦のコロンビア戦は、開始3分に相手のハンドによるPK獲得と得点機会を阻止した相手選手の退場があり、2−1で勝利をつかんだ。コロンビアは前回ブラジル大会で日本が1−4で敗退を決められた相手であり、今回のH組の本命でもあった。

 この展開を幸運とみることもできるが、立ち上がりからひるまずに攻撃をしかけた結果であり、一度追いつかれながら再び引き離すことができたのは、しっかりとボールを動かして試合をコントロールできたからだ。このあたりに、大会直前の監督交代劇を受けて就任した西野朗監督が「日本の良さである技術や組織力を生かしたサッカー」を目指したチーム再建のコンセプトが生きていたと言えよう。

 続くセネガルも強敵で、現在アフリカで最も力のあるチーム。立ち上がりに押し込まれて先制点を失う苦しい展開ながら、徐々にペースをつかむと、パスをつないで、チャンスとあれば恐れずに前線の大迫勇也へボールを集め、相手を苦しめた。1点を返し、再びリードされても冷静に展開して追いつき、2−2で引き分けた。

 最終戦は、2敗してすでに敗退が決まっていたポーランドが相手だったにもかかわらず、0−1の敗戦。同時刻に行われた試合でコロンビアがセネガルを1−0で下したため、セネガルとは勝ち点、得失点差、総得点とも並んで、イエローカードの枚数による史上初の順位決定で辛くも勝ち上がった。

 この日、6人の先発メンバーを変更して臨んだ西野監督は「ベスト16はこれまで2回果たしているが、そこまでにすべてを出し切っていたようだった。今回は突破で満足せず、その先も見すえて戦いたかった」と、決勝トーナメント以降を見越しての采配だったことを明かした。

 日本代表がどこまで行けるかは分からないが、グループステージを突破できたのは西野監督の采配によるところが大きい。

 大会前に試した2試合のテストマッチの結果、本番では4バックを選択して積極的な押し上げを徹底させ、コンパクトなラインを保った。これによって中盤でのボール奪取の確率が上がり、パスコースも限定できて相手のスピードを制限した。

 また、中盤に据えた柴崎岳の落ちついたボールコントロールからのパスが効果的で、攻撃にリズムを生んだ。他にも香川真司、乾貴士、交代出場した本田圭佑や岡崎慎司など、ハリルホジッチ前監督時代には冷遇されていた選手たちを起用し、輝かせた。

 ギリギリの状況でも勇気を持って監督交代に踏み切ったことが功を奏したといえる。期待に応えた西野監督が浦和西高出身、決断を下した日本サッカー協会の田嶋幸三会長は浦和南高の出身。2大会ぶりのベスト16に、浦和でサッカーの基礎を築いた2人の果たした役割は小さくない。次戦に勝てば史上初のベスト8入りとなる。日本サッカーに新たな歴史が刻まれるのを期待したい。

 (サッカージャーナリスト=現地から)

 

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