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【埼玉】

<ひと物語>子らの居場所つくる てらこや新都心代表・大場明美さん

地域の居場所づくりに取り組む大場さん=さいたま市大宮区で

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 浦和と大宮をつなぐ旧中山道を少し外れた住宅街に、学校帰りの児童が集まる場所がある。さいたま市大宮区の「てらこや新都心」。畳や障子など和を基調とした築六十年以上の古民家に十五人ほどが通っている。

 てらこや新都心を運営する一般社団法人の大場明美代表(59)は「私が子どものころは公園など安心して集まれる場所があったけど今は少ない。だからこそ地域の居場所づくりを進めています」とほほ笑む。

 こんにちは−。平日の午後、玄関扉の開く音が子どもの訪問を告げる。「今日は宿題が多いんだ」。子どもたちは大きな和室の机で勉強したり、庭の滑り台で遊んだり、思い思いに時間を過ごす。低学年から高学年が空間を共有し、学校では関わりの少ない学年間の交流も自然に生まれる。

 「どう過ごすか決めるのは子ども自身。自分が決めたことを実行し、行動に責任を持つように育てています」と大場さんは語る。

 てらこや新都心の古民家は大場さんの生家だ。両親が長年暮らしていたが、高齢になって近くに住む大場さん宅に身を寄せたことで空き家になった。そこで二〇一四年四月、「地域の居場所づくり」を目指して活用を始めた。

 二十六歳から専業主婦。「子育て以外で社会と関わりたい思いが膨らんでいた」と大場さん。晩年まで自治会など人のために尽くした亡き父の存在も「父が喜ぶように実家を生かしたかった」と後押しした。

 「まだ取り組みを始めて日が浅い」と言うが、利用する児童の母親から「学校でふさぎ込んでいたけど、てらこや新都心に来て生き生き過ごすようになった」などの声も届いている。

 「集まってくれた人が心地いいと思える空間にしたい。ここを利用した子が大きくなって子どもたちを世話してくれたらいいな」

 てらこや新都心は、平日の放課後に子どもたちが集う「子どもラボ」をはじめ、児童向けの本を週一度無料で貸し出す「てらこや文庫」、月一度夕食を振る舞う「てらこや食堂」など子どもが無料で利用できる多様な活動を実施。空き部屋の貸し出しや、週ごとに料理人が代わるカフェの運営もしている。

 「子どもラボ」は平日午後三時半〜六時、利用には緊急連絡先などの登録と事前申請が必要。「てらこや文庫」は月曜日午後二時半〜五時。問い合わせは、てらこや新都心=電048(627)2411=へ。 (牧野新)

 <おおば・あけみ> さいたま市大宮区在住。都内の女子大卒業後、26歳で出産するまで会社員として働き、3姉妹を育てた。週替わりで料理人が代わる「ギャラリーカフェ てらこや新都心」の料理人の1人として、薬膳料理を取り入れたメニューを振る舞う。趣味はヨガ。てらこや新都心の空き部屋に講師を招いて教室を開く。

 

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