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【埼玉】

県議会の凍結予算 「特養の整備」「教員タイムカード導入」

 県議会は六月定例会最終日の六日、二月定例会で凍結していた特別養護老人ホーム(特養)整備に関する予算について、最大会派の自民が条件付きで執行を認める決議案を提出し、賛成多数で可決した。一方で同じく執行停止になっていた県立学校のタイムカード制導入については、自民の理解を得られず、年度内の導入は難しい状況となった。 (井上峻輔)

 二つの予算は、二月定例会で自民が出した付帯決議によって、予算の執行が停止されていた。六月定例会中に県側から改めて議会側に説明があり、自民は対応を協議していた。

 決議では特養整備を認める条件として、個室と共同スペースを組み合わせた「ユニット型」の施設を中心に整備する県の方針を変更し、一つの部屋を複数人で使う「従来型」も柔軟に認めるよう求めた。

 従来型はユニット型よりも利用者にとっては入居費用が安く、事業者側にも少ない介護職員で多くの入居者に対応できるメリットがある。決議では「事業者や市町村の意向を最優先し、ユニット型施設と従来型施設に差異を設けることは厳に慎むこと」とした。

 また、事業者による介護職員確保を県が担保することや、特養の地域偏在が生じないようにすることもあわせて求めた。

 一方、県立の中学、高校、特別支援学校の全百七十六校にICカードを使ったタイムカード制を導入する予算については、自民は凍結を解除しなかった。

 県側は二日の文教委員会でタイムカード制の意義を「今は自己申告を基に管理職が手作業で勤務時間を集計しているが、負担が軽減される。一人一人の長時間勤務が見える化することで、業務改革や意識改革につながる」などと主張。導入は国の方針に沿ったものであることや、既に全国の十一都府県が導入済みで九県が導入予定であることなどを説明した。

 しかし「教員の仕事は時間で管理できるものではなく、タイムカードにはなじまない」と訴える自民の議員たちとの議論はかみあわなかった。「時間短縮が目的になり、一生懸命やらない先生が高い評価を得ることにならないか」「既に長時間勤務は明らかで、今さらタイムカードに予算を使うなら、教職員以外の人材活用などに予算を使うべきだ」などの反論が続出していた。

 六月定例会中に凍結が解除されなかったことで、予定していた年度内の導入は難しくなった。県は今後の対応の検討を迫られる。

 

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