東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

待機児童294人増1552人 新定義適用で大幅増

写真

 県内の保育所の四月一日時点での待機児童数が、前年比二百九十四人増の千五百五十二人だったことが県のまとめでわかった。待機児童の新定義を今年から全ての市町村が適用したことで、一部の自治体が旧定義のまま計算していた前年度より大幅に増加した。 (井上峻輔)

 新定義は、厚生労働省が昨年三月に通知した。従来は待機児童に含めていなかった保護者が育児休業中の場合でも、「復職の意思が確認できた場合は待機児童に含める」としている。昨年は調査が間に合わなかった十一市が旧定義のままで算出し、県内で二つの基準が入り交じっていた。

 統計上は二年連続の増加になるが、仮に旧定義のまま計算したとすると昨年の千十二人から九百六十八人に減っていて、三年連続で減少していることになる。

 市町村別で待機児童数が一番多かったのはさいたま市の三百十五人。前年は旧定義で算出して待機児童ゼロを達成したが、今年は定義変更で大きく増えた。二番目は朝霞市の百六人。待機児童がゼロだったのは二十六市町村だった。

 前年比で待機児童が増えたのは十六市町。そのうち七市が前年は旧定義で算出していた。

 待機児童数を前年より減らしたのは二十市町。昨年は旧定義だった戸田市は、数字が大きく出やすい新定義に移行しても減少していて、大幅な改善が見られたことになる。

 県は本年度も認可保育所整備などで新たに七千五百人の受け入れ枠をつくる予定だが、入所申込者数も年々増えていて、待機児童が解消できるかは未知数だ。

◆保育士への給与補助 期待の声にも県慎重

 待機児童解消に欠かせない保育士確保を進めるため、市町村や県議会から県に独自の給与補助を求める声が上がっている。東京都など待遇の良い自治体に保育士が流出する危機感が背景にあるが、県は導入に慎重な姿勢をとっている。

 保育士の給与を左右する国の「公定価格」は自治体によって異なり、東京都の特別区より低く設定されている県内自治体は給与も少なくなりやすい。さらに東京都には独自の給与上乗せ制度があり、一七年度からは一人当たり月額平均で四万四千円を補助している。千葉県も昨年十月から、市町村と折半して月額で最大二万円の補助を始めた。

 広がる賃金格差を埋めようと、県内の市町村も独自の待遇改善に取り組んでいる。川口市では本年度から、保育士一人当たり最大二万一千円を補助する制度を開始した。ただ、市町村単独での取り組みは財政負担が大きい。五月に開かれた知事と県内市町村長の会議では、県に補助制度導入を期待する声が上がった。

 県議会六月定例会でも「保育士確保と離職防止のための処遇改善を求める決議」が賛成多数で可決された。公定価格の地域格差是正を国に働き掛けるとともに、格差解消までは市町村に賃金補助など積極的な財政支援をするように県に求めている。

 ただ、県によると東京都と同じ上乗せ制度を取り入れるには年間九十五億円が必要になる。上田清司知事は十日の定例会見で「東京都は一時的に保育士が増えたが、その後はそうでもない。金だけでなく総合的なものをもっと研究しないといけない」と語り、上乗せに懐疑的な見方を示した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報