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【埼玉】

慈母観音を風雨から守る 秩父・聖地公園 地元住民ら屋根設置

慈母観音に覆い屋根が設置されたのを喜ぶ井深さん(右)と坂本さん=秩父市で

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 秩父市の公営墓地「聖地公園」のシンボルとなっている慈母観音を風雨から守ろうと、地元住民らが木製の覆い屋根を新たに設置した。今年は、観音像建立50年目の節目。像の制作者や公園整備に携わる障害者団体が力を合わせた。公園で16日に開かれる「秩父あんどん祭」で、新装の「観音さま」が来場者を待ち受ける。 (出来田敬司)

 屋根作りに参加したのは、かつて観音像を制作した理容師の井深茂男さん(77)=同市大野原=や、公園の清掃や整備に携わる障害者団体「はんとく会」のメンバー。設計は主に公園管理事務所と市内の木工職人が担当した。

 観音像は一九六九年の建立。当時の市長が公園のシンボルにと、県展で入賞を重ねていた二十代だった井深さんに制作を依頼した。井深さんは市内の寺にある別の観音像を参考にしながら作品をつくったという。

 今年三月、井深さんが観音像を清掃した際、左胸と右肩にひびが入っているのを発見。風雨にさらされ、経年劣化が進んでいた。管理事務所は修復と同時に、覆い屋根を設置することで「延命」を図ることにし、井深さんらも協力した。

 覆い屋根は、幅と高さが二・四メートル、奥行きが二・五メートル。切り妻の屋根と三方を囲む側面からなり、支柱にヒノキ、正面の飾り板にケヤキを使用。乳飲み子を抱えた特殊コンクリート製の観音像をすっぽりと覆う形になっている。

 今月十六日夜のあんどん祭では、園内に設置されたあんどん約一万個に灯がともされる。天候によっては最大で約二万人の市民や墓参者らが、あんどんと打ち上げ花火の幻想的な光景を楽しむことになる。

 井深さんは「観音像の傷を完全には直せなかったが、あと三十年ぐらいは持ちそうだ」と話す。はんとく会の坂本貴志事務局長は「今度のあんどん祭では、多くの人に新しい観音さまを見てもらいたい」と期待を膨らませている。

 

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