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【埼玉】

消防団に「学生の力」 団員減続き、県内取り組み広がる

研修会で避難所運営の図上訓練をする学生消防団員たち=さいたま市で

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 消防団員の減少が続く中、新たな担い手として学生団員を増やす取り組みが県内で広がっている。任務を限定した「機能別団員」を設けたり、就職活動用に証明書を交付したりする自治体も増えてきた。消防団は火災だけでなく災害時にも活躍が期待され、若い世代の参加で防災力の充実を図ろうとしている。 (井上峻輔)

 「障害がある人はどこに誘導する?」「ペットはどうしようか」。災害時の避難所に見立てた図を見ながら、学生たちが意見を交わしていく。今月六日にさいたま市内で開かれた学生消防団研修会。県内各地から四十四人が集まり、避難所の運営方法を学んだ。

 研修会は県消防防災課が初めて開いた。担当者は「それぞれの消防団では周りは年上ばかり。同世代のつながりをつくり、活動しやすくしたい」と狙いを語る。戸田市唯一の学生団員の北沢拓臣さん(22)は「学生団員がこんなにいると知って驚いたし、新鮮だった」と充実した表情を見せた。

 同課によると、県内の消防団の定員は一万五千六百四十二人だが、今年四月時点の団員数は一万四千二百人と千人以上下回っている。近年は高齢団員の後継者が見つからない例が多く、この一年間だけで約百人減った。自営業よりもサラリーマンが増え、日中の大規模災害時に人手が不足する可能性も高いという。

 新たな担い手として期待されているのが、大学生や専門学校生だ。現在は全体のわずか1%ほどの百九十九人しかいない。これをいかに増やしていくかが今の課題となっている。

 坂戸市では昨年五月、市内三大学の学生計四十人による「大学生機能別団員」を制度化。消火活動には参加せず、災害時の避難所の運営補助に活動を限定したものだ。加須市や越谷市も同様の制度を整えた。

 消防団員の学生に証明書を交付する自治体も増えている。二〇一六年四月には二市だったが、この二年間で十六市町へと八倍に増加。就職活動での自己PRに生かせるようにし、学生の入団を促す狙いだ。

 従来は入団条件を在住・在勤としている自治体が多かったが、今では三十四市町村が「在学」も要件に加えている。

 県の担当者は「学生は卒業後にいなくなることも多いが、一度経験してもらえば別の自治体でも消防団に入ってくれるかもしれない。地域に貢献したいと考える人が増えていくことが大切だ」と話している。

 

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