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【埼玉】

世代間交流で高齢者支援 ふじみ野 NPOと大学生新たな試み

学生にマージャンのルールを教える参加者。後ろでは学生が高齢者にダーツを教える世代間交流も=ふじみ野市で

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 ふじみ野市のNPO法人と大学生が、地域の高齢者が公共施設で子どもや若者と交流しながら一日を過ごせる新たなデイサービスの試みを始めた。「孤独によるストレスを予防し、健康寿命を延ばす」のが狙い。実行委員会メンバーは「画一的になりがちな従来のデイサービスに代わる高齢者ケアとして、地域参加型の世代間交流を考えた。市内全体に広がってほしい」と話している。 (中里宏)

 「皆でごはんを食べてにぎやかに過ごした。久しぶりにダーツをやって、すごく楽しい」。同市の駒林区画整理記念館で今月四日に開かれた最初の交流で、学生たちとダーツに熱中した清水弘さん(81)は満足そうに話した。

 地元を中心に高齢者約四十人が自己責任での活動を条件に参加。一緒に料理して昼食をとった後、小学生や大学生と折り紙をしたり、ダーツやマージャン、輪投げをしたりして楽しんだ。女児に浴衣の着付けを教える場面もあった。

大学生と小学生に浴衣のたたみ方を教える参加者=ふじみ野市で

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 実行委「ルミエール・ビバン」は、NPO法人ふじみ野明るい社会づくりの会と、同市にキャンパスのある文京学院大生で構成。

 同大経営学部馬渡ゼミ(馬渡一浩教授)の「お買い物班」の三年生六人が、高齢化社会に対応したフィールドワークをするため、地域支え合い事業「ふじみ野市支え愛センター」を運営する同NPOに相談したことから、活動が始まった。

 ゼミ生の横山弘人さん(20)は「当初は高齢者の買い物代行を考えたが、支え愛センターで既に実施していたため、交流の場をつくることにした」と説明。「人生百年時代を迎えると、介護保険制度では支えきれない。世代間交流で支えていければと考えた。大学生の活動を見て、小学生にもボランティア精神を身に付けてもらえるのではないか」と意義を強調する。

 同じくゼミ生の中山智貴さん(21)は「単位の取れる授業にすれば、継続できる」と活動の単位授業化を期待している。

 一方、学生から相談を受けた同NPO代表理事の北沢紀史夫さん(77)は、知人のデイサービス施設の責任者から「安全性や経営効率を求めるあまり、通所者のメニューが画一的になり、結果的に自立を妨げているのでは」と悩みを聞かされ、「自由で伸び伸びできるサービスを一緒につくらないか」と提案されていた。

 学生と話し合う中で、高齢者が集う拠点づくりを決断。区画整理記念館を月一回、借りて活動することにした。実行委の名称は「光」と「人生」を意味するフランス語から付けた。

 「高齢者が自分で考え、できることは自分でする。自己責任の活動とし、従来のデイサービスのような拘束から解放される」と北沢さん。

 当面の活動は十二月までと決まっているが、北沢さんは複数の大学との連携も視野に、同月以降も続ける意向だ。「いずれ週一回にして、市内の自治会にも広がっていくのが理想」と話している。

 

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