東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

旧川越織物市場、市が復元業者の契約解除 入札やり直し、完成不透明に

明治期の市場建築の姿を残す旧川越織物市場。復元工事に向けて現在は解体されている(2015年5月撮影)=川越市で

写真

 明治期の市場建築が残る貴重な産業遺構として、川越市が来年末をめどに往時の姿への復元を予定している「旧川越織物市場」の整備事業で、工事を請け負った建設会社が「市が調整を怠ったため、工期内の完了は不可能」として契約解除を申し出たことが三十一日、分かった。市は正当な理由のない契約不履行として、市側から契約を解除し、同社を一年間の指名停止とした。 (中里宏)

 市は二〇二〇年東京五輪・パラリンピックまでに建物を復元し、新たな市の目玉施設にする方針だったが、工事は入札からやり直しで、完成時期も見通せない異例の事態となった。

 旧織物市場は、全国有数の絹織物の集積地として発展した川越の商人たちが一九一〇(明治四十三)年に建設した。しかし、市場を経由する取引が下火となり、七〜八年で閉鎖。二〇〇一年まで賃貸住宅として使われ、マンション建設計画に反対する市民の保存運動を経て市文化財となった。

 市は、若手アーティストやクリエーターの創業支援施設や、市内観光の中継点として活用しようと建築当時の姿に戻す計画を決定。部材の調査などのため、現在、建物は解体されて市内に保管されている。

 復元工事は五月、一般競争入札で市内の建設会社が三億二千四百万円で落札。六月に工事契約が結ばれた。

 市によると、同社は本契約の前後から、土壁からモルタルへの仕様変更や、工期の延長などを要望してきた。その後、「市が給排水工事など関連工事の調整義務を怠り、工期内の完了が不可能になった」などとして、七月二十六日に契約解除を申し出たという。

 市は「市に落ち度は一切なく、同社の主張は到底受け入れられない」としている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報