東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

「障害者」水増し139人 雇用率1.66%、法定大幅下回る

障害者雇用率の不適正な算出について謝罪する小沢教育総務部長(中)ら県教委職員=県庁で

写真

 障害者雇用の水増し問題で、誤った算出手法を使っていたことが八月に判明した県教育委員会は六日、本年度の雇用状況の再調査結果を発表し、学校の教職員ら百三十九人を不適正に障害者だと認定していたと明らかにした。2・21%としていた障害者雇用率は実際は1・66%で、法定雇用率2・4%を大きく下回っていたことになる。 (井上峻輔)

 厚生労働省のガイドラインでは、障害者手帳を持つ人を雇用率算出の対象にしているが、県教委は手帳を確認せずに職員の自己申告のみで算出に含めてきた。再調査の結果、障害者としていた職員四百九十二人のうち、手帳を確認できたのは三百五十三人だったという。

 県教委によると、障害の有無は定期的に実施している異動希望調書の記載を基に把握することが長年、慣例化していた。障害者手帳での確認を求めるガイドラインができた二〇〇五年以降も、同様の手法を続けていた。

 一三年度からは異動希望調書とは別の書類で年に一度、障害の有無の自己申告を求める方式に変更。この年は法定雇用率が2%から2・2%に上がるタイミングで「今まで以上に幅広く障害者を吸い上げたい」との狙いがあったという。

 さらに一四年度からは書類の文面で「手帳がなくても障害者に該当するなら自己申告するように」職員に求めるようになった。

写真

 この日、会見した小沢健史教育総務部長は「手帳を持っていることを知られたくない人や、障害があっても手帳をとらない人がいる。ガイドライン通りでなくても、障害の実態があれば趣旨から外れないと考えた」と弁明した。

 ガイドラインを「拡大解釈」した背景には、低迷する雇用率を何とか上げたいという思惑が透ける。当時の県教委の雇用率は1%台半ばで推移し、一三年度には全国ワースト二位になっている。当時の法定雇用率を常に下回り、厚労省から是正勧告を受けることもしばしばだった。

 積極的な障害者認定に切り替えたことに加え、一三年度からは非常勤職員の採用で障害者を増やし続け、表向きの雇用率は年々上昇。一六年度には2・21%になり、当時の法定雇用率と全国平均をともに上回った。

 しかし、今回の再調査により、実際の雇用率は一二年度当時と同じ低い水準にとどまっていたことが明らかになった。

 小松弥生教育長は「県民の教育行政に対する信頼を損ね、誠に申し訳ございません。今後は障害者の雇用状況を適切に確認していくとともに、障害者雇用の推進に努めます」とのコメントを出した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報