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【埼玉】

KYB免震・制振不正 病院や庁舎でも疑い 利用者ら不安と憤り

県立がんセンター地下にある免震オイルダンパー。新病院の完成時に設置され、5年近くたつ=伊奈町で

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 油圧機器メーカーKYBによる免震装置の検査記録データ改ざん問題で県内でも三十八カ所の建物で改ざんの疑いのある装置が設置(一部は予定)されていたことが十七日、県の発表で明らかになった。病院や市庁舎など多くの市民が利用する公共施設も含まれ、関係者や利用者からは不安の声が広がっている。 (井上峻輔、藤原哲也、加藤木信夫、杉本慶一、渡部穣)

 県によると、データが改ざんされた疑いのある免震・制振装置が出荷されていたのは、公共施設七カ所、民間施設三十一カ所だった。

 県は民間施設の建物名を公表していないが、内訳は病院などの「医療・福祉施設」と「事務所」が各七件▽マンションなどの「住宅」や「物流倉庫」が各六件▽工場などの「生産施設」が三件▽「教育・研究施設」と「複合施設」が各一件。市町村別ではさいたま市が十件と最多だった。

 公共施設では、医療機関で三件が判明。県立がんセンター(伊奈町)では、免震オイルダンパー三十六本中、三十四本で改ざんの疑いが確認された。この日の朝に県からの報告で、事態を把握した担当職員は「急な話で驚いた。県と相談しながら対応を協議したい」と困惑気味に話した。

 センターによると、ダンパーは病院棟の地下にあり、新病院が完成した二〇一三年に設置され、これまで目立った異常はない。センターは製品確認を進め、必要に応じて施工者に連絡して納入データの確認などをしていく方針だ。

 担当職員は「正規品との交換など速やかに改善を」と要望。家族の見舞いに訪れた上尾市の女性会社員(37)は「新しくて大きな病院なのに怖い話。しっかりしてほしい」と憤った。

 国立障害者リハビリテーションセンター(所沢市)では、施工業者が病院棟のダンパー八本をチェック。病院側に「対象のダンパーが何本あるか、分かり次第(交換)作業に入る」と説明したという。小学生の娘をリハビリに通わせている会社員男性(53)は「どんなリスクがあるのか、分からないと不安。業者と病院は詳細を公表して」と訴えた。

 春日部市立医療センター(旧・春日部市立病院)では、問題のダンパー八本が設置されていた。

 最近、新築・改築工事が行われた各市の庁舎でも、問題のダンパーが使われていた。熊谷市は、一四〜一六年の市庁舎耐震工事で事務棟地下にダンパー十六本を設置。戸田市は、一二〜一五年に本庁舎の免震工事などを行い、ダンパー四本を地下に設置していた。

 さいたま市では、建設中の大宮区役所の免震装置に使われる予定だった。

 川口市は、今年一月から建設中の市役所新庁舎にKYB子会社製のダンパーを設置する予定だった。市の担当者は「新庁舎に免震装置を設置する計画に変更はない。今後、他社製品に切り替えるかどうかを検討する」と話している。

◆県が公表した県内の免震・制振装置の不正物件

■国立障害者リハビリテーションセンター(所沢市)、県立がんセンター(伊奈町)、春日部市立医療センター、熊谷市庁舎、戸田市庁舎、さいたま市大宮区役所新庁舎(建設中)、川口市新庁舎(同)

■民間施設(さいたま市10件、春日部市4件、川口市・三郷市各3件、上尾市・草加市各2件、所沢市・戸田市・八潮市・北本市・幸手市・羽生市・吉見町各1件) (不正の有無不明も含む)

 

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