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【埼玉】

<ラグビータウン熊谷へ 残された課題> (上)W杯へ施設改修124億円

新設されたメインスタンド(右)とLED照明灯、大型映像装置(左奥)=熊谷市の熊谷ラグビー場で

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 青々とした緑の芝、真新しい発光ダイオード(LED)照明灯と約百八十平方メートルの大型映像装置が目に飛び込む。JR熊谷駅から北に約三・五キロ。熊谷スポーツ文化公園の一角に立つ「新」熊谷ラグビー場に足を踏み入れると、設備の充実度に驚かされる。

 「大歓迎。外から見た熊谷のイメージは『暑い』だが、スポーツが盛んな街としての雰囲気ができれば新たな街づくりに役立つ」

 熊谷青年会議所ひとづくり実践委員会の松島清行委員長(38)は、息を弾ませる。ラグビー場が改修され、二〇一九年のワールドカップ(W杯)が開催されることに市民はおおむね好意的だ。

 熊谷市とラグビーの関わりは、熊谷がラグビー会場となった一九六七年の埼玉国体にさかのぼる。「開催地として良い成績を収めることは絶対だった」と、市W杯推進室の島村英昭室長は振り返る。

 国体前の六四年に市ラグビー協会が設立、ラグビー場も整備された。以来、市はラグビーの普及に力を入れ、九一年には現在地に熊谷ラグビー場が完成。同年策定の市総合振興計画でイメージアップ事業の一つに「ラグビータウン熊谷」を位置付けた。

 地元の県立熊谷工業高校はラグビー名門校として成長し、早稲田大から神戸製鋼、日本代表で活躍した市出身の堀越正巳さんら数多くの名選手を輩出。県内のラグビー行事も熊谷を中心に開かれるようになった。

 市も、子ども向けのラグビー教室などに取り組んできたが、近年は熱が下がってきているといい、新ラグビー場を新たな「ラグビータウン熊谷」構想の核として期待する。

 ただ、ラグビー場は基本的にラグビー以外では使えない専用競技場だ。夏場は芝の養生のため、利用を控える必要があり、シーズン中も試合以外で人を入れると芝を傷める恐れがあるという。

 整備した県公園スタジアム課によると、改修費は約百二十四億円に上る。

 しかし、W杯で使われるのは、わずか三試合。こけら落としのトップリーグ「パナソニックワイルドナイツ対キヤノンイーグルス」の試合後、同リーグの公式戦や大学、高校の試合などで、年内に予定されているのは十三試合にすぎない。

 同課の担当者も「コンサートなどでも使いにくいし…」と活用に頭を痛めているのが実情だ。

 日本代表の活躍で一時、盛り上がりを見せたラグビー人気も徐々に下火に。県W杯大会課の町田雅之・普及担当は「ラグビー人気そのものの底上げを図っていかねばならない」と気を引き締める。

 W杯では世界の一流選手がハイレベルなプレーを見せてくれる。県や市など地元が「レガシー(遺産)」となるスタジアムを生かして雰囲気を高め、観客を魅了できるかが大会後の運営のカギを握る。

 ◇ 

 一九年九月から開かれるW杯日本大会を前に、会場の一つとなる熊谷ラグビー場(熊谷市)が改修された。二十日には、こけら落としとなるトップリーグ公式戦の試合がある。W杯は、ラグビーファンの間で「西の花園、東の熊谷」とも呼ばれる「ラグビータウン熊谷」のイメージを定着させる絶好の機会。大会成功に向けた地元の課題を探った。 (渡部穣)

<ラグビーW杯日本大会> 2019年9月20日〜11月2日、北は札幌、南は熊本まで全国12の会場で開かれる。世界の20カ国・地域が参加。決勝まで計48試合のうち、予選リーグの3試合が熊谷ラグビー場で行われる。

 

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