東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 埼玉 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【埼玉】

埼玉に住もう 県が初のプロモーション 首都圏電車で動画

移住希望者の相談に応じる八田さん。自身も8年前に東京都内から移り住んだ=小川町大塚で

写真

 県北や秩父、比企地域の人口減少に歯止めをかけようと、県が初めての「移住促進プロモーション」に乗り出した。首都圏の電車内で移住者の様子をイメージした動画を流し、交通利便性と豊かな自然を併せ持つ県内市町村の魅力をPR。東京都心部に近いために逆に移住先として想定されにくい現状を変えようとしている。 (井上峻輔)

 都心の暮らしに疲弊した架空の四人家族が、自然に囲まれた埼玉県に移り住み、家族の絆を取り戻していく−。

 そんな二分半ほどの動画が、十月末に動画投稿サイトで公開された。家族で農作業に励む一方、父親が都心での仕事を続ける様子も描かれる。県内への移住を促そうと、県が作成した動画だ。十五秒間の予告編もあり、四日まで首都圏のJRや私鉄各線の車内モニターで流されている。PRポスターも作り、上野や池袋、新宿など都内の主要駅に掲示した。

 背景には県北や秩父、比企地域での人口減がある。二〇一五年の国勢調査によると、県内全体では人口が増えた一方、六十三市町村のうち、圏央道以北を中心とする四十市町村では減っていた。県は、こうした傾向を移住の促進で食い止めたい狙いだ。

 移住は通常の引っ越しと区別しにくく、統計は存在しないが、県地域政策課の担当者は「東京に近いため、今までは移住先としてのイメージが持たれにくかった」とみる。今後も各市町村と協力しながら、移住の相談会や体験ツアーを開いてPRを続けるという。

◆専門窓口で移住を支援 小川町空き家や仕事情報紹介

 この二十年で人口が八千人ほど減少している小川町は二〇一六年五月、町内の観光案内所の一角に、県内初の移住専門相談窓口「町移住サポートセンター」を開設した。移住希望者の条件に応じて町内の空き家をあっせん。保育園への入所などの行政サービスや地元での仕事の情報も紹介している。

 センターによると、今年九月までの二年半で、四十三組がセンターを通じて移住した。本年度は半年間で十一組二十六人。そのうち六組が東京都内から、一組が大阪府からだった。県内からも四組あった。

 相談員の八田(はった)さと子さん(40)は「移住者の約七割が子育て世代。子どもが生まれたタイミングで『自然があるところで育てたい』と考える人も多い」と語る。

 住居は町の中心部ではなく、自然豊かな場所を希望する人が大半。移住後は町内で盛んな有機農業に取り組んだり、デザイナーや翻訳家などの専門職を続けたりする人が多い。池袋駅まで電車で一時間余りだが、移住後に都内に通勤する人は少ないという。

 「移住の理由はさまざまだけど、みんな小川町が好きになっちゃうんですよね」と八田さん。自身も一〇年に都内から、仕事で縁があった同町に移り住んだ。今は庭付きの家で暮らし、畑を借りて農業にも汗を流す充実した生活。五歳の娘がいるが「住むところと職場と保育園が近くて本当に住みやすい」と話す。

 ◇ 

 県によると、ほかに秩父市、行田市、鳩山町、小鹿野町が専用の窓口を設けて移住希望者の相談に応じている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報