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【埼玉】

日仏で活躍した彫刻家・高田博厚の足跡たどる 東松山市総合会館で18日まで

彫刻やデッサンが並ぶ企画展

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 国内外の著名人との幅広い交流で知られる彫刻家高田博厚(一九〇〇〜一九八七年)の足跡をたどる企画展「高田博厚展2018」が、東松山市総合会館(同市松葉町)で開かれている。彫刻やデッサン、絵画計三十点のほか、書簡などが並ぶ。十八日まで。入場無料。

 高田は、一九三一年から第二次大戦をまたいで五七年までフランスに滞在。ノーベル賞作家のロマン・ロランや哲学者アラン、画家ジョルジュ・ルオー、芸術家ジャン・コクトーら名だたる文化人と交流した。

 七四年、彫刻家で詩人の高村光太郎を共通の知人として東松山市の故田口弘教育長(当時)と出会い、八〇年に同市で彫刻展と講演会を開催。田口さんの提言で市は、東武東上線高坂駅西口に高田の作品三十二体を一キロにわたって並べた「高坂彫刻プロムナード」を整備した。市には昨年十二月、神奈川県鎌倉市の高田のアトリエ閉鎖に伴い、遺族から遺品が寄贈された。

 企画展では、高田が「人格的師」と仰いだロマン・ロランをはじめ、アランや詩人中原中也ら交流のあった文化人をモデルにした彫刻作品のほか、書簡などを展示。アトリエを再現した机やパネル展示、ビデオ上映もある。

 同会館では、高田のフランスのアトリエを受け継いだ洋画家で文化勲章受章者の野見山暁治さん(97)と、芥川賞作家で仏文学者の堀江敏幸さん(54)が高田について対談。野見山さんは、パリでの高田との偶然の出会いから、頼み込んでアトリエを継いだエピソード、帰国後の交流まで、ユーモアを交えて語った。

 野見山さんは、高田が帰国する際にアトリエの作品を「例外なく一枚残らず完璧に焼いてくれ。固い約束をしてくれ」と託され、何日もかけて焼却したという。帰国後、銀座のギャラリーで高田の絵を見て「僕が焼いた作品の方が良かった」と思ったことを述懐した。(中里宏)

 

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