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【埼玉】

<ひと物語>性の知識と愛情伝える 「パンツの教室」代表・のじまなみさん

「『性=恥ずかしい』と感じるのは大人だけです」と話すのじまさん=和光市で

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 会員制交流サイト(SNS)を通して性犯罪に巻き込まれる子どもが後を絶たない。性知識の乏しさが要因となりやすいが、伝え方に悩む大人も多い。全国規模の保護者向け講座「とにかく明るい性教育・パンツの教室」を主宰する、のじまなみさん(37)=和光市=は「性の知識はお守り」と説く。

 家族でテレビを見ていて性的な場面が流れると、シーンと静まり返った経験はないだろうか。保護者は、自分の子どもに性の話は「まだ早い」として、避けてしまいがちだ。

 のじまさんは、三歳、小学三年生、六年生の三女の母。長女の小学校入学後、性教育の大切さを痛感した。娘が友達同士でタブレット端末を使い、インターネットにあふれる性行為に関する誤った知識に触れていたことを知り「ドキっとした」と振り返る。

 当時は女児が男性に連れ去られる事件や、SNSで性犯罪に巻き込まれる児童が過去最多に上ったことなどがニュースになり、ひとごとではないと感じた。

 娘たちには、正しい性知識を持って自分を守るすべを身に付けてほしい−。だが、いざ伝えようにも「何から話せばいいのか」と、とまどった。

 まずは自ら性教育について調べ、体には他人に見せてはいけない「プライベートゾーン」がある、大人にならないと性行為をしてはいけない理由、といった情報を少しずつ伝え始めた。性を語り合うことで、娘の方から体の悩みを話してくれるようになり、以前より何でも話せる信頼関係の深まりを感じたという。

 二年前に看護師の仕事を辞め、今年一月に講座の実施主体である「パンツの教室協会」を設立。性の話をするタイミングがつかめない親が多い中、生理や射精などで汚れたパンツを子どもと風呂で手洗いする時間をつくってほしいとの願いを込めて名付けた。

 講座の内容は、母親たちの悩みを集めて編成。「子どもが自分の性器を触るのをやめさせたほうがいいか」「何歳まで一緒に風呂に入ってもいいか」などの疑問に寄り添う。協会が全国で養成したインストラクター百五十人が、各地で講座を開いている。

 参加者からは「子育てに自信が持てるようになった」「性について話せるようになり、子どもが前よりいとおしく感じられる」と反響が寄せられている。

 性教育について「両親が愛し合ってあなたが生まれたと伝える時間」と話すのじまさん。愛情を感じた子どもは「自分の体を大切にできるようになることで、性犯罪から身を守ることにつながる」と力を込める。 (浅野有紀)

<のじま・なみ> 長崎県島原市出身。高校卒業後、防衛医科大高等看護学院(所沢市)に進学。関東地方の総合病院や大学病院の泌尿器科に14年間勤務した。今年1月、パンツの教室協会を立ち上げ、講演活動は海外在住の日本人向けにも展開している。自身が幼い頃から父親に性教育を受けていたことも活動の土台になっている。

 

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