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【生活図鑑】

老齢厚生年金の繰り下げ 70歳に受け取りを遅らせば42%の増額(No.150)

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 会社員だった人が65歳から受け取る老齢厚生年金の繰り下げ支給制度が、2007年4月から始まりました。最長5年間(60ヵ月)、70歳まで繰り下げでき、その後は増額された年金を受け取ります。

 会社員だった人は六十五歳から、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できます。このうち、老齢基礎年金の繰り下げ制度はありました。今回、六十五歳以降も就業して収入があり、生活に余裕のある人などを対象に、老齢厚生年金を最長七十歳まで繰り下げできる制度を設けました。

 繰り下げは、六十六歳から一カ月単位。一カ月受け取りを遅らせるごとに、年金額が0・7%増額されます。繰り下げにより六十五歳時点の老齢厚生年金額に比べ、一年で8・4%、五年で42%の増額になります。増額率などは老齢基礎年金と同じで、生涯、増額された年金を受給できます。

 六十歳代後半の繰り下げには大きく三通りが考えられます。(1)老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに繰り下げる(2)老齢厚生年金のみを繰り下げる(3)老齢基礎年金のみを繰り下げる−です。

 生年月日によって受給できる六十歳代前半の特別支給の老齢厚生年金は、今回の制度と関係なく繰り下げはできません。

●平均余命参考に選択も

 厚生労働省のモデル年金額(〇七年度、男性の平均月収三十六万円で四十年間就業)は、基礎年金を含め月額約十六万七千円です。仮に、男性が老齢基礎年金と老齢厚生年金を五年繰り下げて、七十歳から受給すると、月額約二十三万七千円になる計算です。

 では、六十五歳から年金を受け取った場合と、繰り下げた場合で、年金額はどうなるのでしょうか。先の例で五年繰り下げ、七十歳から増額した年金を受け取った場合、六十五歳から受け取った人の年金総額と同じになるのは八十二歳ごろです。これより長生きすれば、年金総額は増えることになります。

 六十五歳の平均余命は男性が約十八年、女性が二十三年です。このあたりも考え、繰り下げを選択する必要がありそうです。

●加給年金に注意

 繰り下げる場合、気をつけなければならないことがあります。厚生年金に原則二十年以上加入(保険料を納付)した人で、厚生年金の満額受給が始まる時点(特別支給の老齢厚生年金も含む)に、生計を維持している六十五歳未満の配偶者(主には妻)がいれば、妻が六十五歳になるまで加給年金を受け取ることができます。

 加給年金額は生年月日によって違い、年額約二十三万円から最高約四十万円になります。厚生年金を繰り下げれば、この加給年金の受け取りも先送りされます。繰り下げ期間中に、妻が六十五歳を超えてしまうと加給年金を受け取れません。

 また、厚生年金の繰り下げを選択する人は、会社勤めを続けている人も多いと思われます。この場合、給与と年金を合わせた額によって、年金額が減額になる在職老齢年金制度の対象になる人もいます。

 六十歳代後半の場合、給与と老齢厚生年金額の合計が月額四十八万円(〇七年度)を超えると、超えた額の半額が年金から差し引かれます。この減額分については、繰り下げができません。ただ、現状では役員などを除き、一般労働者で四十八万円を超える人は多くありません。

 詳しくは、社会保険事務所などに問い合わせてください。

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