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【生活図鑑】

自動車のリコール 年間700万台前後 新車販売上回る(No.160)

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 2004年の「三菱ふそうリコール隠し事件」以降、自動車各社のリコール届け出件数が急増。対象台数は年間700万台前後と新車販売台数を上回る高水準です。安全という基本的な品質管理で消費者との信頼関係を損ないかねない事態です。自動車のリコールについて基礎から調べてみました。

 自動車のリコールとは、“欠陥車”による事故や公害を未然に防止し、自動車ユーザーなどの保護を目的とした制度です。メーカーが回収し無料で修理します。また、同様の制度として「改善対策」と「サービスキャンペーン」があり、無料で修理します。

●「ヤミ改修」に罰則強化

 一九六九年に創設されたリコール制度は、九四年に道路運送車両法で定められ、リコール隠し(ヤミ改修)などには罰則があります。しかしリコール隠しは後を絶たず、二〇〇四年にはこれが原因で死傷事故を引き起こしていたことが発覚しました。こうした事件を機に国交省は、法人への罰金刑を二十万円以下から二億円以下と大幅に引き上げるなど不正行為の再発防止対策、調査体制の拡充を実施しました。

 〇四年度を境に、リコール届け出件数および対象台数は急増。対象台数は新車販売台数を上回る年間七百万台前後となっています。この急増ぶりをみると、リコール隠しが一部メーカーだけでなく自動車業界全体の体質なのか、と疑われても仕方がありません。

 リコールの届け出があった場合、メーカーなどは購入者に、はがきや電話などで通知します。引っ越しの際に住所変更の手続きをしていない人や中古車の購入者へは、通知が届かないこともあり注意が必要。通知を受け取ったら、販売店などに連絡し改善措置を受けることになります。修理期間中の休業補償や代車の用意などは、各社の自由裁量に委ねられ原則ユーザー負担となります。

●ユーザーの損害補償は

 リコールは事故後発覚する場合も少なくありません。メーカー等に対する損害賠償請求は、製造物責任法(PL法)などに基づき、裁判でユーザーがメーカー側の責任を追及するしかないのが現状です。場合によっては、無料相談やあっせんに応じる裁判外紛争処理機関を利用する方法もあります。

 リコール対象車急増の背景には(1)複数車種の共通設計や部品の共用化(2)電子系の技術者不足(3)部品の海外調達拡大と品質管理の問題−などが挙げられます。各社は“欠陥車”を出さないよう設計・開発、生産工程や部品調達の各分野で対策を講じています。一方、ユーザーの損害補償など制度面の見直しを求める声もあります。

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