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【生活図鑑】

年金不信 ずさんな記録管理に国民の怒り(No.161)

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保険料を払ったのに記録がない。宙に浮いた5000万件の年金記録。公的年金への信頼をなくす、ずさんな記録管理が問題になっています。社会保障制度そのものを揺るがす事態は、なぜ起こり、今後の対応はどうなるのでしょうか?

 世代間の助け合いと保険料に応じて年金が支払われるのが社会保険制度です。支払った保険料の記録がない、間違っているというずさんな記録の管理は、同制度の下ではあってはならないことです。国民の政治に対する不信感や怒りは頂点に達しています。

●「申請主義」の弊害

 一九九七年の基礎年金番号導入以前は、厚生年金、国民年金それぞれに番号があり、約三億件にもなっていました。増えすぎた番号を整理するため、同年に社会保険庁が約一億人の国民年金、厚生年金、共済組合の被保険者と年金受給者に基礎年金番号を導入し、以後、基礎年金番号で照会することになりました。

 この際、入力ミスや本人に読み方を確認せずにデータ化したほか、記録されなかったものも多数あるとされています。さらに基礎年金番号に統合されていない番号を十分調査もせず、放置してきました。

 また、年金が支払われるのに時効がある、ということさえ知らせていないなど、年金制度の複雑さと申請主義が今回の事態を招いたといえます。

●不安解消にはほど遠い

 政府は当面、宙に浮いた五千万件の年金記録を調査するものの、新たに発生する年金支給額、調査費用、調査の正確性をどう確保するかは未定です。データ化されていない記録などはどれだけあるのか、その全容も分かっていません。

 また、領収書などがない場合も「国民の立場にたって」(安倍晋三首相)とは言うものの、認定基準によっては、国民の不安を解消できるかどうか未知数です。

 社会保険制度が崩壊しかねない今回の深刻な事態を踏まえ、公的年金制度をどのようにすべきか、真剣に考える必要がありそうです。

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