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【生活図鑑】

新築住宅の欠陥対策 消費者保護 売り主の責任を明確化(No.162)

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 一昨年、社会を揺るがした姉歯元建築士による耐震強度偽装事件。国土交通省は、罰則の大幅強化など各種の対策を講じました。その中で消費者保護と売り主の責任明確化、資力の確保を定めたのが特定住宅瑕疵(かし)担保責任履行確保法です。

 国交省は、関連法令を改正し(1)専門家による構造計算書の再審査制度(ピアチェック)(2)個人に対する罰則を罰金五十万円から懲役三年または罰金三百万円に引き上げ(3)新たに法人への罰金一億円を導入−などの対策を講じました。特定住宅瑕疵担保責任履行確保法は、一連の対策の仕上げといえる措置です。

●供託か保険加入を選択

 これは買い主(消費者)保護が目的です。同法が施行される二〇〇九年秋以降、買い主(消費者)に引き渡される物件について、売り主は供託金を積むか、〇八年春に設立予定の住宅瑕疵担保責任保険法人で二千万円以上の保険に加入するか、のいずれかを選択しなければなりません。売り主の責任で欠陥住宅の修理、建て替えをさせるためです。

 供託金は、どう積むのでしょう。供給戸数が十年間で一−十戸の売り主の供託額は二千万−三千八百万円です。五万−十万戸の場合は、十一億四千万−十八億九千万円。供給戸数が多ければ、供託額も増えるが、一戸当たりの金額は軽くなります。供託は、現金以外に国債、地方債など政府保証債でも可能です。

 保険は、住宅価格千六百万円の一戸建てで保険料が約八万円。分譲価格二千万円程度、二十戸タイプの中規模マンションで一戸当たり約四万円との試算があります。最近流行のタワー型高層マンションは、高層化のリスクと販売戸数のメリットなどを考え保険料率が設定される見通しです。

●買い主救済措置手厚く

 では、故意や重過失で欠陥住宅をつかまされたケースはどうか。まず売り主がすべての財産を提供して建て替えなど修補作業にあたります。売り主が倒産したら、新設の保険法人が費用を負担し、それを住宅購入者等救済基金(仮称)や住宅保証基金がバックアップし消費者を救済します。このほか、売り主と買い主間のトラブル調停・仲裁にあたる紛争処理機関を設けることになりました。

 国交省の幹部は「一連の対策で耐震強度の偽装、構造計算書の偽造はなくなると思う」と胸を張り、別の幹部は「(新法の趣旨は)消費者に迷惑をかけるな、ということです」としていますが、住宅を購入する際には、複数の販売業者や物件を比較するなど慎重な検討が不可欠です。

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