東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2007年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

消費者団体訴訟制度スタート 差し止め請求で悪質商法の拡大防ぐ(No.166)

写真

 改正消費者契約法に導入された消費者団体訴訟制度が2007年6月スタートしました。悪質商法などの被害を受けた消費者に代わり、適格消費者団体が差し止め請求の訴訟を起こせる制度です。これで消費者の泣き寝入りは防げるでしょうか。

 値上がり確実。必ずもうかります−。言葉巧みにリスクの高い金融商品を売りつける悪質商法。

 消費者は、こうした悪質商法の被害に遭った場合、泣き寝入りするケースがほとんどで、損害賠償の訴訟を起こすケースは少数。消費者団体が事業者に改善を求めても、法的な権限もなく限界がありました。

●消費者保護の「切り札」

 そこで政府は、消費者契約法を改正し、一定の団体に事業者の不当な行為に対する差し止め請求権を認める消費者団体訴訟制度を導入しました。被害の拡大防止、悪質商法への抑止効果など消費者保護の切り札的存在として期待されています。

 この制度では、同種の被害が多発しているという情報を受けた適格消費者団体が、事業者に対し不当な行為をやめ改善するよう要求します。それでも改まらなければ、訴訟手続きに入ります。原告(適格消費者団体)側勝訴が確定しても従わない事業者に対し、裁判所は消費者の不利益などを踏まえ「間接強制金」を同団体に支払うよう命令できます。

 現在、消費者機構日本(東京都)と消費者支援機構関西(大阪市)の二団体が、内閣府に適格団体への申請を済ませています。二〇〇七年八月下旬か九月上旬にも認可の見通しです。

●行政の監視の目厳しく

 こうした背景には、後を絶たない悪質商法の被害、増加する消費者の苦情・相談があります。経済産業省は六月、外国語会話教室を経営するNOVA(ノヴァ)が特定商取引法に違反したとして、厳しい行政処分を下したばかり。〇四年以降同法の運用を強化した結果、業務停止命令などの処分が急増しています。

 有料老人ホームの介護サービス内容の不当表示など景品表示法違反も増えています。公正取引委員会が〇六年度、排除命令を出したのは三十二件ですが、警告、注意を合わせると六百八十九件。経産省は特定商取引法、公取委は景品表示法へ同様の団体訴訟制度を導入する方針を固め、具体的な検討に入りました。悪質商法への監視の目は一段と厳しくなります。

 団体による損害賠償請求や訴訟費用の負担の問題、差し止め請求と訴訟の範囲などは今後の課題です。新制度が円滑にスタートするには、証拠固めに必要な被害情報の収集、提供など行政の支援が不可欠です。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報