東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2007年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

低賃金できつい仕事 労働環境の改善急務(No.167)

写真

 やりがいを求めて介護の仕事を選んだものの、現実は賃金が低く、仕事はきつい。

介護報酬の不正請求が問題になるなかで、介護現場の厳しい労働環境も浮かび上がってきました。介護労働の実態は?

 厚生労働省の調査によると、介護の職に就く理由としてもっとも多いのは「働きがいのある仕事」という回答でした。介護が人を助ける重要な仕事として意識されていることが分かります。

 しかし、実際に介護の現場で働いている人には、さまざまな悩みがあります。とくに「給与などの収入が低い」「有給休暇をとりにくい」といった労働環境への不満が高くなっています。

●収入は月額20万円前後

 収入面で見ると、ホームヘルパー(訪問介護員)の一カ月の給与(手当、残業代含む税込み)は、二〇〇五年で十九万八千六百円でした。また介護福祉施設の介護員は二十一万一千三百円です。全労働者の三十三万八百円に比べ、それぞれ約40%、36%低くなっています。介護労働者は平均年齢が若く、勤続年数も短いため、単純には比較できませんが、収入面は厳しい状態です。

 とくにホームヘルパーの給与は、〇五年まで全体的に年々低下する傾向にありました。この背景には、訪問介護事業への参入が増加し、事業者間競争が激しくなったなどの影響が考えられます。

 また、事業所で見ると、〇二年に比べ〇五年では収益が若干改善されているものの、逆に給与費の割合が訪問介護事業所で低下。ホームヘルパーにしわ寄せがいったようです。これに対し特別養護老人ホームでは、給与費の割合が若干増加しています。

●半数が「腰痛」訴える

 労働時間でみても、週の実労働時間は全産業平均よりも長くなっています。ホームヘルパーは、ほとんどが女性です。しかも登録型ヘルパーや短時間労働(パート)という勤務形態で、実際の月間収入は約八万二千五百円でしかありません。交通費などが賃金として支払われないケースもあり、改善が必要です。

 労働者の半数は腰痛を訴えています。腰痛は、施設介護職員の間でも深刻な問題となっています。

 あるケアマネジャーは「やりがいだけで介護の職を続けていくのは限界です。賃金を含めた労働条件の向上がなければ、魅力ある仕事とはいえない」と訴えています。

 急速な高齢化が進むなか、介護労働者が報われる制度、労働環境の改善が必要です。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報